2019年9月26日木曜日

ZOZOと前澤社長、すでに限界だった…ヤフーによる買収は孫正義氏の英断(7)

ZOZO内の革新より、アライアンスとのフュージョンを



 偉大なリーダーが去ったZOZOが自律的に革新を続けることは難しい。それでは、今回の買収がビジネスとして成功を収める方策としては、ヤフーとZOZOという2社の相乗効果を求めることが、経営戦略的には正しい。

 互いに異なる会員ミックスを有している。これを相互に乗り入れさせるにはどうしたらいいか。互いの商品・サービスをどう互換していくか。ZOZOの会員数は約800万人とされているが、そのうち女性の購入者は500万人強いる。20代、30代女性の30%ほどを顧客化しているはずだ。つまり、特定のセグメントでのマーケット占有率がとても高い。

 一方、ヤフーは月間ログインID数が4000万人もいるという、日本有数のITプラットフォームだ。ネット通販事業はヤフーのビジネスのなかでは一部にすぎない。またZOZOよりもヤフーの会員の年代のほうが高く、男性割合も多いといわれている。

 これら2つの性格の異なる2大ITプラットフォームがアライアンスを組む。しかも協業の域を超えて、同じグループとして展開する。だとすれば、ZOZO単体の革新を追及することよりも、両社のフュージョン(融合)を追及していくことのほうがはるかに大きなビジネス上の成果を生み出す。

 21世紀最大の経営者のひとりとして私が評価する孫氏は、また大きな一手を打った。この一手は、ヤフーとZOZOの成長を再加速し、さらにはソフトバンクグループのより強力な一翼を構築するものと評価している。

(この項 終わり)

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