2015年12月26日土曜日

コンピュータを入れ替えた

インターネットの反応が遅くなるなど、事務所のシステムの不調が続いた。

IT業者に相談して、修理(つまり不具合となっている機器の取替え)を相談したら、設置したのが6年前のシステムなので、
「5年を過ぎたものは交換をお勧めしています」
とのこと。

たしかに、OSはおろか各ソフトや機器まで新しいバージョンが溢れているのでこの機会に全とっかえを決断した。

12月23日が祝日なので、ダウンさせても軽微な影響と見て、この日に決行したが、結局完了せず、翌々日に再度来てもらい完了した。二日間、使えず。ネットもメールもなく携帯電話だけとなると、いかに能率が低下するか痛感する。というか、まったく仕事にならない。

それにしても、新しいシステムに古いシステムからデータやソフトを移設する作業を横から見ていたら、もうとても自分ではできない領域だというのが理解できた。

新システムは恐ろしく快適だ。と、思ったらもう年は終わる。

2015年12月24日木曜日

幹部研修 戦略発表会

「師走」とはよく言ったものだ。12月は後半から各地を飛び回り、指導に当たった。

北国に一泊して、とある会社の役員会に出席。帰京して翌日は東京で1社を経営指導。その翌日は飛行機で山口県から広島に入る。

広島から移動して関西でとある社長と会食して、京都に投宿。東京に帰りついたらクリスマスを迎えていた。

広島では、9月から指導していた幹部研修で、いよいよ最終講として6名の幹部に部門別の三年戦略を発表してもらった。発表を受けたのは、同社の会長と社長。同族会社で、会長が3代目で現社長はそのご子息、4代目となる。

最後に会長のご挨拶で
「当社のレベルがこんなに上がったとは驚きだ」
とおっしゃっていただく。もともと皆さんが持っていた、それが顕在化されたということだ。それを引き出す触媒として機能するのが私の役目だ。

2015年12月13日日曜日

ビジネスの時事ネタに鋭く切り込む! 『間違いだらけのビジネス戦略』

本が好き!サイトロゴ本書は、著者の山田さんが連載している
「山田修の間違いだらけのビジネス戦略」 からの
記事をピックアップしたものです。

その時その時に旬な話題に鋭く切り込む、
他の人の意見などを参考にせず、ご自身で
調べて、考察されているようです。

耳なじみのある企業の実情や戦略が学べます。
たとえば、大塚家具、マクドナルド、ヤマダ電機、スカイマーク
ソニー、シャープ、トヨタ、コメダ珈琲店、などなど
お家騒動や大幅な減収減益で苦しんだ企業、
逆に成長している企業など、どうしてそういう結果を
招いたのか?が著者なりの視点で書かれています。

新聞の社説のような、テレビのドキュメンタリーを
見ているような不思議な感覚で、読み進め、
「そういう実情(裏側)だったのか~」と改めて
知ることが多かったです。

日ごろから、新聞をよく読んでいるわけでもなく、
経営に携わっているわけでもなく、MBAの知識が
あるわけでもないので、難しいのかな?という感じを
読む前にイメージしていたのですが、
理解できるできないというよりは、面白かったというのが
実際の感想です。WEB上でも読めるのですが、
本になって、まとまっていると流れが掴みやすいので、
オススメできる1冊です!


(これだけ褒めてくれているのに、「お気に入り度」が星三つですと。by yamada)

2015年12月12日土曜日

<経営版>エンジニアがビジネス書を斬る!

<経営版>エンジニアがビジネス書を斬る!12月6日に書評が。http://keiei.enbiji.com/2015/12/business_strategy.html

『間違いだらけのビジネス戦略』(山田修著)

あの会社、この会社、知ってる会社がとっている戦略について
コラム調にまとめてある本著。
#実際に連載されていたものです。

有名な企業ばかりの話なので
とても読みやすく、でも戦略の本質に迫る内容になっています。


なにがわかりやすいのか?といえば
論理が明快なこと。


たとえば「ヤマダ電機の成長の限界」についての
話があるのですが

2008年現在、日本に「市」は790
ヤマダの15年3月期末での店舗数は1016店舗
日本のすべての3万人以上の地域市場に出店を終えてしまっているということだ。


数字で比較すると本当に分かりやすい話で
小売店という特性上、マーケットの出店余地がなくなれば
その時点で成長は限界に達するわけです。


#一人あたりの消費者の購買力が伸びない限り

他にも、おおこんな裏話があったんだなど
非常に楽しく拝読させていただきました。

『間違いだらけのビジネス戦略』 本ナビ書評星5つ 91点(3)

■この本で私が共感したところは次のとおりです。

・「ヨドバシ.com」・・同社では店頭のすべての
 商品にバーコードが付いており、スマートフォン
 などで読み取ると画面に当該商品の競合価格や
 在庫状況などが示される(p84)


・COE(Compensation on EBIT)・・
 経営者が、自分の得ている報酬1円につき
 会社にいくらの経常利益をもたらしたか・・
 ゴーン氏は9億円以上の報酬を得ているが、
 会社に対して5271億円も経常利益をもたらしている・・
 ユーシンの経常利益額は10億6000万円ほどだったので、
 田邊氏のCOEは1.3にすぎない(p124)


・一つの大組織の中を出世の結果として
 駆け上がってきたサラリーマンは、
 社長の座に着くと実際には戸惑ってしまう。
 というのは、CEO社長というのは
 組織の中で唯一無二の存在だから、
 それまでの経験則ではこなせないことが
 余りに多いからだ(p161)


・イオンの不調は、大型小売店舗をチェーン展開する
 GMSの業態がいよいよ曲がり角に来ている現れ・・
 リアル店舗で探し回るより、ネットでの大量一括比較、
 そして検索型のショッピングが効率的となってきた(p93)


・アジアへの生産拠点進出を検討している
 企業に対し、筆者は韓国とフィリピンは
 避けるよう助言している。前者には対日感情、
 後者には治安の問題があるからだ。
 「行きは良い、帰りは怖い」ということ・・(p245)


(この項 終わり)

2015年12月11日金曜日

『間違いだらけのビジネス戦略』 本ナビ書評星5つ 91点(2)

 もちろん、的外れな判断は、
 企業を崩壊させる可能性もあるのですが、
 それが経営なのでしょう。


・パナソニックはその後、自動車関連も加え
 BtoB分野に軸足を移し業容を拡大させ、
 業績回復を果たした。テレビ部門出身の
 津賀氏が果敢にプラズマテレビ事業を閉鎖した
 意思決定は賞賛に値するし、12月10日には
 約7000人いた旧本社部門を再編し、
 150人程度のコーポレート戦略本社に削減した
 豪腕には肝を潰した(p174)


■著者の歯に衣着せない発言が
 興味深い。


 プロ経営者が活躍する時代が
 近づいてきたのです。


 山田さん、
 良い本をありがとうございました。


(この項 続く)

2015年12月10日木曜日

『間違いだらけのビジネス戦略』 本ナビ書評星5つ 91点(1)

本ナビ:本のソムリエの一日一冊書評

本のソムリエが一日一冊、人生を変えるような本を紹介します。

【私の評価】★★★★★(91点)


■最近、外部からプロ経営者を
 招へいする企業が増えてきました。


 著者も
 いくつかの企業を再生してきた
 プロ経営者です。


 プロ経営者から経営を見ると、
 他の会社の経営は
 どのように見えるのでしょうか。



・セブン&アイ、鈴木会長の次男が取締役就任・・
 鈴木会長は従業員経営者という出自を超えて
 振る舞っているようにみえる・・筆者なら
 「李下(りか)に冠を正さず」、あるいは
 「痛くもない腹を探られたくない」という
 経営行動を選ぶ(p130)



■日本でも、欧米の経営者のように
 トップしかできない仕事をしている
 経営者が増えています。


 日立製作所、マツダ、パナソニックなど、
 経営者の判断が正しければ
 大きな成果が期待できます。


(この項 続く)

2015年12月9日水曜日

M&Aを完遂するには最初の6ヶ月が勝負だ

経営者ブートキャンプ第12期の第3講が12月5日に。

今回も例外的に三年戦略を本発表してくれた参加者がいた。素材加工の2代目オーナー社長で、夏に第3工場を居抜きで購入し、10月には同業をM&Aで手中にした。

「3年前にブートキャンプで発表した戦略通りになりました」
と。

「今回は、入手した会社を軌道に乗せる3年戦略を創り、皆さんに聞いて頂きたかった」
とのことで、3月の最終発表日まで待てない、とのことでやってもらった。

「最初の6ヶ月が勝負だ、と山田先生から教わったので」
とも言ってくれた。

確かに言った、そして確かにその通りだ。この取り組み姿勢なら、今回もうまくやってくれるのでは、と期待が膨らむ。

2015年12月8日火曜日

東京商工会議所で経営戦略講座

実務に基づく実践型経営戦略講座」と題して、東京商工会議所本部で12月4日(金)、1日セミナーを実施。

参加者からの終了アンケートで高い評点を貰い、ご担当者からも

「受講者からの評価も高く、非常に有意義な講座となったことと思います」

とのメールを頂戴した。

2015年12月7日月曜日

東芝の第三者委、意図的に巨額減損を見過ごした疑い 経営陣を無罪放免(6)

また、エンロン社の粉飾決算を見抜けなかった当時世界5大会計事務所のひとつだったアーサー・アンダーセンは解散に追い込まれている。

東芝の監査法人は新日本有限責任監査法人であるが、同法人は例のオリンパス事件の時の監査もやっていた。今回の東芝事件で金融庁は同法人に対して業務中止命令を検討した、とされたが結局これもムラ社会の論理だろうか、厳しい措置はとられていない。

 監査法人にとって顧客である法人と、その法人の株主の損害被害は同列には論じられないのだろうが、社会的意義という観点から考えれば、新日本監査法人にはアーサー・アンダーセンと同様解散してもらったほうがいい。ぜひ退場してもらいたい。

 幸いというか、東芝に対しては個人株主約70人が約4億円の損害賠償を求める集団訴訟を起こす意思を固めたという(11月13日ロイターより)。これが契機となり、前経営者あるいは現経営者、そして法人としての東芝への責任追及が広がることを願う。それが社会正義ということになる。

(この項 終わり)

2015年12月6日日曜日

東芝の第三者委、意図的に巨額減損を見過ごした疑い 経営陣を無罪放免(5)

今回の事件で私が思うのは、粉飾が引き起こした巨額の経済的毀損、つまり「罪」に対して課せられるべき「罰」がとても矮小なものとなろうとしていることだ。こ

の5者が互いに相手の立場や生き残りを慮り、裏でなあなあのコミュニケーションを取るか、「阿吽(あうん)の呼吸」で叩き潰さない程度の甘い処罰での落としどころを見いだそうとしている。同じ会社やつながりのある組織同士での、「知り合いは助け合い、かばい合う」というムラ型文化の麗しい発露と観察することができる。

 しかし、「そんなことは許されない」と私は考える。
 アメリカでは01年に倒産したエネルギー会社エンロンが、倒産前に不正経理により株主に損害を与えたとして、8人の経営責任者が刑務所に入った。東芝の前経営者たちに責任があったとすれば、「5人で最大3億円」などという事態で収束させようとするのは犯罪的といえるのではないか。

(この項 続く)

2015年12月5日土曜日

東芝の第三者委、意図的に巨額減損を見過ごした疑い 経営陣を無罪放免(4)

東芝によるこの提訴により、その個人株主が現経営陣を含んだ訴訟を起こすことを防ぐこととなった。また、「5人に対して3億円」というのも大企業の元役員に対してはまことに少額で、前述した「兆という資産価値の滅失」に対して甚だバランスが取れないものだ。

ムラ社会のかばい合い


 前出日経ビジネス記事で紹介した記事によれば、室町正志現社長もWH減損案件にかかわったことからも、一連の「不適正経理処理」への関与も取りざたされる状況となった。その可能性を勘案すると、「同じ穴の貉(むじな)をかばった」とまではいわないが、経営責任を共有していた同志・先輩に武士の情けをかけてしまったとみられても仕方がないのではないか。

 今回の事件を「プレイヤーズ・セオリー」で見ると、主要登場プレイヤーは次の通りだ。
・3人の直近歴代社長
・現
経営者
・監査法人
・第三者調査委員会
・証券取引等監視委員会(及び監督官庁である
金融庁

(この項 続く)

2015年12月4日金曜日

東芝の第三者委、意図的に巨額減損を見過ごした疑い 経営陣を無罪放免(3)

今回の粉飾事件で、世界の株主はどれだけ損害を受けたか。試算のひとつの方法として、株価の推移で考えてみよう。
 粉飾が報道され問題となったのが今年5月8日だった。5月1日の東芝の株価は482.50円が終値だった。11月18日は287.60円であり、この日の時価総額は1.22兆円とされる。株価から逆算すると5月1日には2.02兆円の時価総額があり、その日から0.8兆円が失われた。「他の要素もある」という論もあろうが、私は大きなものとしては粉飾決算だと考える。

2015年12月3日木曜日

東芝の第三者委、意図的に巨額減損を見過ごした疑い 経営陣を無罪放免(2)

つまり、かくも多額な減損について、現社長を含む経営陣や不正を追及すべき第三者委員会までが、不適切な処理について承知していたというのである。

証券取引等監視委員会も手ぬるい


11月18日、証券取引等監視委員会が東芝の利益水増しに対して70億円強の課徴金を課すよう金融庁に勧告する、と一斉に報じられた。これまでの課徴金額は08年にIHIに科された15億9000万円が最高だったので高額だと報じた向きもあるが、東芝の利益水増しによる決算の下方修正額である2248億円に対しては、まったくバランスを欠く。

 ある金融庁幹部が「企業の利益を毀損させる課徴金を引き上げれば、株価下落で直接被害を受けている株主がさらに痛手をこうむる」(11月18日付毎日新聞より)という見解を述べたというが、私はこれまでに引き起こされた株主損害を考え、もっと厳正な処置が必要だと考える。

(この項 続く)

2015年12月2日水曜日

東芝の第三者委、意図的に巨額減損を見過ごした疑い 経営陣を無罪放免(1)



東芝の発表
11月19日付日経ビジネスオンライン記事『スクープ 東芝、室町社長にも送られた謀議メール』は次のように報じている。

「東芝が2006年に買収した米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)で巨額の減損が発生していたことを(前に)報じた。子会社単体では2年連続で赤字に陥っていたが、本誌(日経ビジネス)が指摘するまで東芝は事実を開示していなかった」

 WHに関連して減損処理が不適切だったという先駆けスクープがあったという。だが、同記事の真骨頂は、副題となっている「巨額減損問題、第三者委の調査は“出来レース”だった」のほうである。米国子会社のWHで1200億円もの損失が発生していたのだが、それをWH単体での減損処理として東芝では本社との連結決算に反映させなかった。

 その措置について同記事は、「東芝の法務部門トップが謀議の内容を現社長の室町正志や前社長の田中久雄らに伝えていた」とし、さらに「東芝の不正会計問題を調査した第三者委員会が、米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)の減損問題を知りながら、東芝と『謀議』の上で調査対象から外していた」と報じている。
 
(この項 続く)

2015年12月1日火曜日

父娘戦争に勝利した大塚久美子社長の正念場(3)

大塚家具の業績というと、今年話題を呼んだわりにはさえない。11月6日に発表した15年1-9月期決算は、売上高420億1200万円(前年同期比0.2%減)、営業損失1億9000万円(前期は1億3800万円の営業損失)、経常損失3900万円(同400万円の経常損失)、当期損失7100万円(4億8300万円の当期利益)となった。

赤字が膨らんだのに配当を一株当たり80円と大盤振る舞いする予定なのは、株主総会で支持を集めるために、父娘の増配公約合戦があったからだ。

 父娘戦争で勝利して経営権を握った「かぐや姫社長」は、経営戦略の大転換という舵を切った。結果が問われる本当の正念場が来年となる。

(この項 終わり)