2015年10月31日土曜日

甘ったれるな新日本プロレス!サーカス化&世界進出を目指せ!選手を海外貸出すべし(4)

前述のオカダ・カズチカがアメリカから凱旋帰国して、当時のIWGPチャンピオン棚橋選手に緊急挑戦して大きな話題とブーイングを浴びたのが、まさに12年1月のことだった。木谷氏が本格関与してから、新時代の幕が上がったのである。回復の立役者はここでも新経営者だった。

現在では「スイーツ真壁」と異名を取り人気者となった真壁刀義選手などを筆頭に、選手をテレビタレントとしてマスコミでの露出も活発にさせている。

 木谷氏が「業界一番手」として目標にしているのが、アメリカのプロレス団体WWEだ。WWEはニューヨーク株式市場に上場している公開会社で、年商5.4億ドル強(約650億円)を誇る、一大スポーツエンターテイメント企業だ。

 WWEで興味深いのは、試合構成についてシナリオライターがいることを公式に認めていることだ。日本で興業を催す場合も「東京公演」としていて、選手たちは大会のことを「ビッグショー」と呼んでいる。日本のプロレスについても、「八百長かショーか」という議論は今ではなくなったといっていい。

特に新日本プロレスでレフェリーだったミスター高橋が著した『流血の魔術最強の演技―すべてのプロレスはショーである』(講談社、2001年)が決定的だった。とはいえ、レスラーたちがあれだけのことをできるのはやはり大したものだ。

(この項 続く)

2015年10月30日金曜日

甘ったれるな新日本プロレス!サーカス化&世界進出を目指せ!選手を海外貸出すべし(3)

新日本プロレスリングの年商は27億6000万円(15年7月期)で、社員数は42名とされる(レスラーたちは独立事業主として会社と契約関係にあるので、含まれない)。規模的には中堅というより失礼ながら中小企業に近い。アントニオ猪木が創立した会社としての知名度とは結構な乖離がある。

日本でプロレスが全盛期といわれたのは1990年代のことで、テレビも複数局がオンエアし、猪木や馬場は「スポーツ選手高額納税者番付」などにも登場していた。それが没落したのは、総合格闘技界に打って出て、その最強伝説を自ら地に落としてしまったからだ。今では人気選手やチャンピオンでも年収は1000~2000万円台ほどと推定されている。プロ野球やサッカー、あるいは大相撲などの花形プロスポーツとは比べるべくもない。

 

ロールモデルはWWE


「売上を2020年までに100億にしなければ話になりません」(「週刊プロレス」<ベースボール・マガジン社/10月21日号>)と語ったのは、新日本プロレスリングの木谷高明オーナーである。木谷氏はカードゲームのブシロードグループの創業社長だ。同グループは年商212億円強(15年7月期)で、新日本プロレスリングを2012年1月に子会社とした。

(この項 続く)

2015年10月29日木曜日

甘ったれるな新日本プロレス!サーカス化&世界進出を目指せ!選手を海外貸出すべし(2)

日本のプロレスは、力道山時代の創成期、ジャイアント馬場とアントニオ猪木が競った黄金時代、そして今は新日本プロレスの「ひとり勝ち時代」となっている。

 プロレスを興業として行う会社や団体は現在20前後もある。しかし、「メジャー」と呼ばれる新日本プロレス、全日本プロレス、NOAHを除くといずれも弱小団体(「インディー」と呼ばれる)で、興業ごとの観客人数も数百人という場合も珍しくない。

インディーはいってみれば有力ではないボクシングジムのようなもので、所属するレスラーたちもギャラだけでは食えずにアルバイトなどをしている選手が多い。メジャー3団体の中でも新日本プロレスの好調ぶりは際立ってきていて、今東京ドームで興業を打てるのはこの団体だけである。

 しかしプロスポーツの業態としてとらえると、日本のプロレスは圧倒的にマイナーな業界だ。斯界の最大のイベントとして行われた冒頭のIWGP選手権試合は超満員として集めた観客数が8302人。ちょっとしたアイドルグループがコンサートを開けば、武道館はおろか野球場で数万人を集める。東京ドームでの大会を見ても、読売ジャイアンツはそこで年に数十回も興業を打って、そのたびに大観衆を動員している。

(この項 続く)

2015年10月28日水曜日

甘ったれるな新日本プロレス!サーカス化&世界進出を目指せ!選手を海外貸出すべし(1)

コーナーポスト上での攻防から、オカダ・カズチカがAJスタイルズをマットに投げ下ろした。そのときAJの右手首を放さずグイッと引き寄せたオカダは、自らの右腕をAJの胸元に思い切り振り抜いた。ラリアットである。

崩れるAJを立たせ、同じ技を畳みかける。すぐにまた相手を後ろ向きに立たせると、今度はこちら側に振り向かせざまに思い切り最後のラリアットをたたき込んだ。これがオカダの必殺技「レイン・メーカー」だ!

 大興奮に包まれた10月12日の東京・両国国技館。超満員の観衆は誰も席を立たない。メインイベントの勝者がマイクアピールをするからだ。IWGPチャンピオンを防衛したオカダがマイクで勝ち誇っているときに、棚橋弘至がリングに上がってきた。

「オカダ、お前がチャンプで、オレがエースか?」
 棚橋はお客を煽るのが実に上手い。

「どちらが強いか、1月4日、東京ドームで決着を付けよう!」
 ということで、次のタイトルマッチを見事に演出予告した。

どん底からの復活、ひとり勝ちの新日本プロレス


(この項 続く)

2015年10月27日火曜日

大手企業で事業部戦略策定 発表会

大阪の大手企業で、事業部ごとの戦略策定の指導を頼まれていた。

先日、最終指導となり発表会を行った。発表した側は4事業部、各4名の幹部達。

発表を受けた側は社長以下5名の役員連。

午前中に発表スライドを確認、手直しなどの指導。午後の頭にリハーサル(発表練習)。後半、計2時間強の発表会。終わって社長を含んでの懇親会。

10時過ぎての帰宅となったが、皆さんが渾身の発表をしてくれたので充実感に溢れる。

サンフランシスコで講演

とある業界のサンフランシスコ視察ツアーに同行。

現地で「繁栄の黄金律と経営戦略の創りかた」という講演を行った。

サンフランシスコを訪れたのは15年ぶりほどになる。もう来ることはないと思っていた。Never say, Never!と英語で言うが、、、まあ、もう一度は無いだろう。

同地での滞在を、2本の記事に書く予定。

2015年10月26日月曜日

三菱重工、大型客船建造の巨額損失をバネに解体的改革始動 仏アレバは絶対に買うな!(6)

私は現役経営者時代、フランスの会社とも随分ビジネスを展開したが、正直よい記憶は残っていない。フランス企業からは日本企業は随分鼻面を引き回されることは避けられない。

 11年の東京電力福島第一原発事故の時、当時のアレバ社長で「アトミック・アンヌ」と異名を取ったロベルジョン氏が日本に乗り込んできて、汚染水処理に大層な自信を示した。私はいやな予感がしたのだが、「汚染水対策700億円無駄に」(3月24日付東京新聞)という結果に終わった。10月5日現在では、三菱重工はアレバへ出資の方向と報道されているが、私が本稿で「やめたほうがいい」としたことは記憶しておいていただきたい。

 三菱重工は、サンオノフレ原発(米カリフォルニア州)を廃炉にする案件で、この原発を運営する南カリフォルニア・エジソンから約75.7億ドル(約9300億円)の損害賠償を求められてもいる。しかし、私の知り合いの専門家に言わせると、「契約上の責任上限をはるかに超えている」ということなので、深傷にはならないだろう。
 宮永氏は、17年度には年商5兆円、営業利益4500億円を目指している。それを達成できる可能性は大きいのではないか。大きく歩を進めていってほしい。

(この項終わり)

※ 本連載記事が『間違いだらけのビジネス戦略』(クロスメディアパブリッシング/山田修)として、11月13日に発売されます。

2015年10月25日日曜日

三菱重工、大型客船建造の巨額損失をバネに解体的改革始動 仏アレバは絶対に買うな!(5)

宮永氏のような戦略経営者はどんな結果を出せるのか。同氏が実質経営を担う前、11年度から13年度までの3年間で、同社の年商は41%以上伸びてほぼ4兆円に、営業利益は2.6倍の2961億円となった。同社の業態と規模からすると、この成長と利益の増大は素晴らしいものだ。

アレバ買収


 さて、この秋に同社が逡巡している案件が、仏原子力大手アレバからの出資要請である。世界の原子炉メーカーでは、東芝が米ウェスティング・ハウスを買収し、日立はGEと手を組んでいる。

 三菱重工に残された花嫁はアレバだけ、という状況なのだが、私は同社がアレバと組むことには反対だ。大赤字に沈んでいるアレバと組むのもリスクがあることだし、出資が要請されている原子炉製造を担うアレバ子会社アレバNP社には、仏電力公社が半分以上の資本を持ち続けることが決まっている。

(この項 続く)

2015年10月24日土曜日

三菱重工、大型客船建造の巨額損失をバネに解体的改革始動 仏アレバは絶対に買うな!(4)

宮永氏は11年に社長室長に就任すると、同社にSBUの概念を持ち込んだ。そして、その年に64認定したSBUは15年の段階で48に絞り込まれ、14年事業計画では将来的に35~40に絞り込まれるとされている。

 それら多数のSBUは、「エネルギー・環境」「交通・輸送」「防衛・宇宙」「機械・設備」という4つのドメインに振り分けられて、経営的な判断が容易にできるようになった。さらに宮永氏は、「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/14年7月26日号)で次のように述べている。

「全ての事業について、競争優位性や成長性などで格付けし、『伸長・維持』『変革』『新規』『縮小・撤退』の四つに分類して精査しています。収益性が高く、キャッシュを生み出す事業は『伸長・維持』となり、得られた余剰資金は改善が見込める『変革』、または『新規』に還元します。一方で、収益性が低く、もはや改善が望めないとなれば、『縮小・撤退』となります」(同誌より)
 
 この技法は、まさにPPM(プロダクト・ポートフォリオ・
マネジメント、実際には事業ポートフォリオ・マネジメント)セオリーの応用である。私には、宮永氏のPPMセオリーへの強い傾倒が読み取れる。

(この項 続く)

2015年10月23日金曜日

三菱重工、大型客船建造の巨額損失をバネに解体的改革始動 仏アレバは絶対に買うな!(3)

さらに日本国外に目を転じれば、「欧州・中東・アフリカ総代表」を1日に新設し、同地域の事業推進体制を強化するとも発表し、インドでは有力財閥マヒンドラ&マヒンドラと農機分野で手を組んだ。

 あれやこれやで、三菱重工の今秋は忙しい。この早さと果断さの裏には、相当な覚悟と不退転の戦略的な覚悟があると私には見える。

 実はこれらの戦略的な流れは、昨年発表された「14年事業計画」からきているのだ。その計画とは、大企業にありがちな総花的な中期経営計画の域を出て、同社がめざす近未来を随分明確に描き出している。

PPMを本格活用


     三菱重工のような重厚長大企業では、取り組んでいる事業が多岐にわたり、歴史の途次では収拾の付かなくなる事例も多い。13年に社長に就任した宮永俊一氏が主導したこの事業計画には、「ドメイン」「SBU(戦略的事業ユニット)」などの用語がちりばめられており、名経営者と呼ばれたジャック・ウェルチ氏の米ゼネラル・エレクトリック(GE)経営を彷彿とさせる。実際に宮永氏はウェルチ流経営を深く学んできたのではないかと思われる。

    (この項 続く)

2015年10月22日木曜日

三菱重工、大型客船建造の巨額損失をバネに解体的改革始動 仏アレバは絶対に買うな!(2)

実際、客船で最初の大型受注となった大型客船2隻の建造では、大幅な設計変更を強いられ、昨年度までに約1300億円の特別損失を計上した。2隻目がさらに竣工予定の遅れが見込まれている。このほか、資源探査船分野も難航している。

 横田社長は、「同型船、同型ブロックを受注生産するビジネスモデルで、長崎の基幹産業の造船を発展させる」と抱負を語った。コンテナ船や自動車運搬船などからも撤退して、需要拡大が見込めるLNG運搬船などに特化し、コスト競争力を高めるとして明確に路線変更を宣言したのである。

メリハリが利いた事業取り回し


 三菱重工メカトロシステムズ(MHI-MS)という子会社の動きも急だ。同じく1日に電気集じん装置、溶剤回収装置の事業を移管した。移管した相手も同日付で発足した三菱日立パワーシステムズ環境ソリューションという新会社で、なんと競合する日立製作所との共同資本会社だ。戦略的合理性があれば、従来あった競合関係にも目をつむって手を組むわけである。

(この項 続く)

2015年10月21日水曜日

三菱重工、大型客船建造の巨額損失をバネに解体的改革始動 仏アレバは絶対に買うな!(1)

10月に入り、三菱重工業が戦略的な動きを強めている。

 1日に長崎造船所(長崎市)から2つの事業会社を切り出し、三菱重工船舶海洋と三菱重工船体の2社を設立した。前者はLNG(液化天然ガス)船とLPG(液化石油ガス)船のガス運搬船を集中的に建造し、後者は船体のパーツを他社からも受注するとしている。

 この動きは、造船を祖業としている三菱重工にとって大きな戦略的転換だ。2012年に策定した3カ年の事業計画では「高付加価値船舶」建造を掲げ、大型客船と資源探査船とを新たな柱に育てる戦略だった。しかし、今回の発表で三菱重工船舶海洋社長の横田宏氏はこれを「戦略的に失敗だった」と率直に認めた。

(この項 続く)

2015年10月20日火曜日

『間違いだらけのビジネス戦略』 表紙 最終デザイン
























大塚家具の親子ゲンカ  ヤマダ電機の大規模店舗閉鎖
マグドナルドの絶不振  スカイマークの経営破綻
好調セブン&アイが抱えるお荷物 SONY全事業分社化
トヨタの特許無償提供の衝撃


ビジネスシーンを騒がせた
「失敗」に学ぶ
「戦略の本質」


元祖「企業再建経営者」の
超人気連載をまとめ読み!

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黒色の表紙は、内容がブラック・ジョークと思われたのか。黄色が入って斬新な。

フレグランス・ジャーナル誌 9月号で 伊豆味きみ子氏と対談 (7)


  会社名はなんと言うのですか?

 株式会社コスメティック・バーリィ
と言います。

 主にどのような化粧品を作っている
のですか?

 化粧品は口紅とマニキュア以外でし
たら製造できます。私どもの工場の特
徴は、粉の製造ができるという点です。

 コスメティック・バーリィでは、ハ
ラル認証の化粧品を作ったことが話題
になっていますね。

 お客様からのご依頼で作った商品が
ハラル認証を取得したことから、工場
ラインの、ハラルの認証を受けること
ができました。そのこともあり、問い
合わせが多く来ています。日本ではハ
ラル認定工場は他にもありますが、商
品を作ったのは私どもが初めてだと聞
いております。

 社長が今までに影響を受けた本はな
んですか?

 デール・カーネギーの「人を動かす」 
という本です。

 これからも活発に会社のために社員
を増やしていく予定ですね。

 もちろんです。これからも有望な社
員を募集して皆様に貢献していけるよ
うにしていきたいです。 

 どのような人材を希望されています
か?

 企業の展開として、日本国内だけで
なく、お客様が輸出をし、私どもが輸
入をするということをあわせまして、
国際的な視点や感覚を持った人がこれ
からは求められると思っています。

 それではますますのご発展をお祈り
しています。

 ありがとうございます。

【プロフィール】 
伊豆味きみ子
沖縄出身。株式会社アンコール・アン代表取締役
山田 修
(有)MBA 経営代表取締役。経営コンサルタント、ビジネス評論家。
外資4 社、日本企業2 社で社長を歴任。「企業再生経営者」と称された。
【問い合わせ先】
株式会社 アンコール・アン
〒103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町17-13
TEL03-6661-7271 FAX03-5642-6021 http://eai.jp/

2015年10月19日月曜日

フレグランス・ジャーナル誌 9月号で 伊豆味きみ子氏と対談 (6)

オリジナル原料の取り扱いはどのよ
うに考えていますか?
 私は、会社設立以前
18年間この業界
にお世話になっています。その経験か
ら、オリジナル原料を持つということ
に強い意味を感じています。現在は4
種類の原材料の取り扱いですが、最終
的には10アイテムは揃えたいと思って
います。
 立ち上がりのときにたくさんの方々
に助けていただいたので、これが恩返
しになると思っています。

 アンコール・アン社は化粧品材料の
卸ということですが、どのような経緯
で化粧品製造であるOEMの方にも進
出なさったのですか?

 もともと当社のお客様には、原料だ
けを購入していただくお客様と、工場
をお持ちでなく商品を作って欲しいと
いうお客様と2通りあります。
 お客様のOEM商品の依頼は、外注
先へ依頼していましたが、時を同じく
して、依頼先のOEM外注先三社が会
社を閉めてしまい、その時使用してい
た使用機械を安く譲っていただだいた
こともキッカケの一つです。また、お
客様にも自分たちで責任を持ってOE
M商品をお届けしようと考えたのがス
タートです。それで工場の立地場所を
探して、工場を建てました。

(この項 続く)

2015年10月18日日曜日

フレグランス・ジャーナル誌 9月号で 伊豆味きみ子氏と対談 (5)

沖縄に拠点をお持ちになると聞きま
した。

 現在着々と進んでおりますが、今年
度中には新しい拠点を沖縄に置く予定
になっております。

 それは製造拠点ですか、それとも支
店のようなものですか?

 製造と研究開発を兼ねてです。研究
開発というのは沖縄の素材を原料化す
るための研究開発で、それをやってい
く予定です。

 社長がアンコール・アンをやってい
くことになった経緯はどのようなもの
だったのですか?

 一言では申し上げにくいのですが、
はじめは全く別のことをやる予定で設
立した会社なのですが、設立1年後に
諸般の事情があり、前勤務先の会社の
事業譲渡を受けて、社員を含めて引き
受けることになりました。お陰様で、
社員は勿論ですが、得意先・仕入先、
金融機関のご協力を得て、今年
16期を迎えることが出来ました。

 (この項 続く)

2015年10月17日土曜日

フレグランス・ジャーナル誌 9月号で 伊豆味きみ子氏と対談 (4)

マリンシルトにはどのような特徴が
ありますか?

 マリンシルトの特徴は吸着力です。
それが優れているのは肌を傷めずに汚
れだけを取るという点です。吸着とい
うと研磨的な役割を考えますが、タン
パクや汚れているものだけをマイナス
で吸着します。粒子が揃っているのも
特徴です。更に、湿式という製造方法
で時間をかけて製造しているので他の
原料と馴染みやすいというのも特徴で
す。

 伊豆味社長が沖縄出身ということで
沖縄の素材を手広く扱っているという
ことだと思いますが、他にはどんなも
のをお取り扱いですか?

 やんばるブタプラセンタを去年の8
月に商品化しました。私の故郷であり
ます伊平屋(いへや)のもずくを化粧
品原料として開発をしていますが、大
きな商品化までには至っていません。
それから沖縄には海のものや薬草とい
う素材がたくさんありますので、それ
を、原料化することによって微力なが
らも業界に貢献をしていきたいと思っ
ています。

(この項 続く)
 

2015年10月16日金曜日

フレグランス・ジャーナル誌 9月号で 伊豆味きみ子氏と対談 (3)

量的なお取り扱いでも日本で一番の
大手となっていらっしゃいますね。

 そう思っています。

 マリンシルトに関してもオリジナル
であるとお聞きしました。

 マリンシルトTMは私共の商標ですの
で、化粧品業界でのマリンシルトの供
給は、私共から行っています。最初は、
クチャの塊を持って営業に行きまし
た。ところがお客様は皆さん同じよう
に、「これを粉にしてくれ」とか、「粉
にしないと扱いにくい」とのご要望を
受け、粉にするための研究を重ねマリ
ンシルトが生まれました。 
マリンシルトとの出会いは、平成
13年に開発者の伊藤先生から研究の話を
お聞きしたのが始まり
です。マリンシルトはもともと沖縄でクチャ
と言われている素材なのですが、
その素材を化粧品の原料として
使えるまでの製造工程に時間
をかけて開発してきましたので、お客
様に安心して使っていただけるという
ことが言えます。

(この項 続く)
 

2015年10月15日木曜日

フレグランス・ジャーナル誌 9月号で 伊豆味きみ子氏と対談 (2)

伊豆味社長はアルガンオイルの宣教
師な訳ですね!

 そう思っていただけるととても嬉し
いです。私たちは時間と費用をかけて
ここまで育てたという自負がありま
す。

 アルガンドールというブランドはど
のようにして出来たのですか?

 はい。最初の頃はアルガンドールと
いうのは手搾りブランドの区分けとし
て、単にアルガンオイルではなく、ア
ルガンドール・アルガンオイルをアル
ガンドール・ジャパンのブランド名と
して確立させてきました。今では手搾
り商品を、アルガンドールとして、機
械搾りをアルガンオイルCPとして、
双方の特徴を生かしてお客様に対応で
きるようにしています。

 アルガンオイルについて他に特徴は
ありますか?

 CSRの一つとして、私どもが取引
しているリプウィット社と協力して
フェアトレード認証を取得しました。
モロッコでの、この認証取得は、今後
にますます期待が持てると思います。

(この項 続く)
 

2015年10月14日水曜日

フレグランス・ジャーナル誌 9月号で 伊豆味きみ子氏と対談 (1)

 躍進を続けるアンコール・アン、
 オリジナル原材料からその先へ

アルガンオイルやマリンシルトなどのオリジナル原材料を販売し、さらにそれらを使った化粧品の製造を含むOEMまで幅広く活躍する株式会社アンコール・アンの伊豆味きみ子社長に、経営コンサルタントの山田修氏が今までの会社の経緯
や商品開発についてインタビューを行いました。

山田(質問)
 伊豆味社長は日本にアルガンオイル
を広めた方と伺っています。

伊豆味(返答)
 アンコール・アンは、オリジナル原
材料の販売が特徴となっております。
その中の一つですが、コスメ用アルガ
ンオイルは私どもが日本での流通の
きっかけになりました。

 実はアルガンオイルと出会ったのも
偶然からなのです。営業マンがお客様
をお尋ねした際に、「アルガンオイル
の輸入を引き受けてもらえないか?」
というお話を受けてきました。そこか
ら市場調査と準備を半年くらいかけて
行い、今までにない素材を扱うことに
価値があると思い、アルガンオイルを
取り扱うべく決断をしました。平成
18年のことです。

 当時は、アルガンオイルに関しての
データや情報は殆ど何もないところか
ら年月をかけてここまできました。昔
からベルベル民族が生活の中でずっと
使っていたものです。オイルはもとも
と肌に浸透しにくいのですが、アルガ
ンオイルは使ってみるとオイルなのに
ベタつかない。という特徴があります。

(この項 続く)

 

2015年10月13日火曜日

みずほ総研で公開セミナー 「部長、、」

10月8日(木)にみずほ総研(大手町)で部長向け公開セミナー。

「社長の右腕になる!『部長の指導力・行動力』強化セミナー」

30名ほどの参加者に
  • 戦略策定法
  • コミュニケーション
  • リーダーシップ
の三分野で指導。遠く九州や山形からの参加者も居て、こちらも力が入った。

2015年10月12日月曜日

『間違いだらけのビジネス戦略』 帯コピー


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大塚家具の親子ゲンカ、
ヤマダ電機の大規模店舗閉鎖、
マグドナルドの絶不調、
スカイマークの経営破綻、
セブン&アイ、イトーヨーカ堂を売り払え、
トヨタの特許無償提供の衝撃、
スタバは味の目隠しテストで、、

ビジネスシーンを
騒がせた
勝つも負けるも
「戦略」だった



ビジネスジャーナルで過去1年間連載した記事の中から、アクセス数が多かったものを選りすぐった。

テーマ別に7つの章に並べ、各章に簡単なふりかえりを補足。
黒色の表紙は、内容がブラック・ジョークに富んでいるという出版社の誤解から。


2015年10月11日日曜日

驚異の絶好調!ネスレ、「ジャパン・ミラクル」を起こした「唯我独尊」経営?(6)

これらの一連のユニークなマーケティングをリードしているのは、どんな経営者なのか。現在55歳の高岡社長は、83年に神戸大学経営学部を卒業してネスレ日本に就職した、生粋のネスレ人だ。外資系企業というと、転職や海外MBAを経てという経歴の社長が多いが、プロパーのままトップに上り詰めた、そして同社で初めての日本人社長だという。

 その高岡社長がこれらの一連のマーケティング施策を次から次に思い付いたのか、それなら大変なアイデアマンだと思ったら、「多くのアイデアは当社の『イノベーションアワード』から出てきています」(同社広報室)とのこと。社員からアイデアを募るのは多くの会社で行っていることだが、同社でユニークなのは、小規模にまず実践、実験してみた上で応募できることだという。つまり、フィージビリティー(実現性)がある程度担保された施策やアイデアが上がってくるという。

 しかし私は、そんな仕組みを考えた高岡社長がやはりアイデアマンだと思う。自分だけで考えるのだけではなく、社員たちに考えさせる、それを仕組みにして効率化した。優れた経営者だ。

(この項 終わり)

2015年10月10日土曜日

驚異の絶好調!ネスレ、「ジャパン・ミラクル」を起こした「唯我独尊」経営?(5)

ネスレ日本ではマシンを1台無料でオフィスに貸与し、管理してもらう。アンバサダーになった社員は、自身のクレジットカードなどでコーヒーを同社サイトから購入する。1杯当たり20円で、コーヒーを飲む社員が横に置かれた箱に20円を入れてもらうことで回収する。

20円以上とする場合もあるのだろう。これで社員が安くコーヒーを飲め、アンバサダーは幸せな気分になれるのだそうだ。アンバサダーはすでに18万件以上の申し込みがされているとのことだ。

高岡社長は生粋のネスレ育ち経営者



 最後にPromotion。文頭で紹介したネスカフェ原宿でのイベントのような、ひとひねりしたイベントなどを盛んに催している。またネスカフェではないが、同社はキットカットをプロモートするために、本格的な映画を自主製作して動画共有サイト「YouTube」上で公開するなどという大胆な施策も行っている。
 
(この項 続く)

2015年10月9日金曜日

驚異の絶好調!ネスレ、「ジャパン・ミラクル」を起こした「唯我独尊」経営?(4)

バリスタとネスカフェ アンバサダーに注力


 Placeとは、どこで売るか、つまり流通経路のことだ。ネスレ日本は、コーヒーからも15年3月に撤退してしまった。自動販売機では大塚食品を通じて販売していたが撤退し、コンビニエンスストアでの缶コーヒー事業からも撤退した。セブンイレブンが「セブンカフェ」を始めるときも、コーヒー豆の提供の要請をあえて断ったと高岡社長は明かしている。まさに、「我が道を行く」マーケティングである。

 これらのルートを閉じ、同社が直接消費者にコーヒーを届けようとする施策がユニークだ。
 まず、家庭用コーヒー・マシーンである「ネスカフェ バリスタ」。これでレギュラーソリュブルを淹れてもらう。1杯当たりの価格は概算20円だそうだ。

「バリスタ自体は、当初1万5000円で売り出したらまったく売れなかった。価格を試行錯誤して、現在は9260円(メーカー希望小売価格)として(販売は)順調。累計で270万台出ている」(ネスレ日本広報室による)

 また、コーヒー・カプセルを使う新世代機「ネスカフェ ドルチェ グスト」は、現在までに160万台出回った、ともしている(同)。
 オフィスでネスカフェを楽しんでもらおうというのが「ネスカフェ アンバサダー」。これは製品名ではなく、制度でありビジネスモデルだ。

(この項 続く)

2015年10月8日木曜日

驚異の絶好調!ネスレ、「ジャパン・ミラクル」を起こした「唯我独尊」経営?(3)

ネスレ日本はレギュラーソリュブルの導入に当たり、果断な姿勢を見せた。国内シェアの7割を持ち、自らが売り上げ最大の会員だった日本インスタントコーヒー協会など業界4団体から脱退したのだ。決断となったのは、全日本コーヒー公正取引協議会が14年6月の総会で、「インスタントコーヒーではないと消費者に誤認される」として表記変更を認めなかっただけでなく、広告上もこの名称を利用できないように自主ルールである公正競争規約を改めたことだった。

以前に本連載記事『米国で日本企業が標的に…日本ガイシ談合で巨額罰金 前社長らに禁錮刑の可能性も』でも述べたが、私は業界団体というのはある時は談合の温床となり、またある時は有力会員を独走させないための圧力醸成の場となっていると見ている。足を引っ張る、と言ってもいい。いずれにせよ公正取引を阻む性格が、日本の業界団体のいくつかに見られるのは残念なことだ。ネスレ日本の脱退決断を支持したい。

(この項 続く)

2015年10月7日水曜日

驚異の絶好調!ネスレ、「ジャパン・ミラクル」を起こした「唯我独尊」経営?(2)

高岡浩三社長は「21世紀型のマーケティング」と呼んでいる。2大商品というと、「キットカット」と「ネスカフェ」だが、本稿ではネスカフェに焦点を絞って「マーケティングの4P」に当てはめて解説したい。

新製品のために業界団体を脱退


マーケティングの4Pとは、Product(商品)、Price(価格)、Place(流通経路)、Promotion(販売促進)を指す。

ネスカフェというProductは、13年に生まれ変わった。ネーミングも「インスタント」から「レギュラーソリュブル」に変更。ソリュブルとは「溶ける」という意味である。そのコーヒーは一見すると以前の「ゴールドブレンド」のようだが、焙煎したコーヒー豆の微粉末が直接添加されているのが従来品と異なる。賞味してみると、あくまで筆者の感想だが、確かに従来のインスタントコーヒーよりおいしい。

 Priceも強気で、10月に発売される「香味焙煎 究み」の希望小売価格は1800円(35グラム)と、即席コーヒーとしては圧倒的に高価格だ。
 
(この項 続く)

2015年10月6日火曜日

驚異の絶好調!ネスレ、「ジャパン・ミラクル」を起こした「唯我独尊」経営?(1)

9月16日に「ネスカフェ原宿」でイベントがあり、出かけてみた。原宿らしいおしゃれなカフェが常設されていて、「ドルチェ グスト」というネスレ日本の抽出マシーンを使っていて、そのマシーンでカプセルから淹れたコーヒーを供している。ステージには時折ドローンが舞い上がり、レース・クイーンのようなキャンペーン・ガールが盛んに歩き回っていた(しかし、彼女たちに商品について質問をすると全然説明できない)。

 スイスに本社を置くネスレは、食品企業としては世界最大。197カ国・地域で事業を展開し、2014年度の売上高は916億スイスフラン(約10.6兆円)、営業利益率は約15%と高収益を誇る。ネスレ日本は業績を公表していないが、「15年1-6月期で数量ベースの伸び率が4.3%増となり、営業利益は対前年同期比11.3%増」(9月7日同社事業戦略発表会)とされる。

 実は、ネスレ日本の業績は好調どころか、世界に34万人近くの従業員がいる「ネスレ・ワールド」の中で、「ジャパン・ミラクル」として語られている。12年度に営業利益の伸びは前年同期比25%となり、先進諸国の現地法人の中で好調ぶりが際立っているのだ。
 
(この項 続く)

2015年10月4日日曜日

『間違いだらけのビジネス戦略』 新刊予約開始

アマゾン 予約サイト

ビジネスジャーナルで過去1年間連載した記事の中から、アクセス数が多かったものを選りすぐった。

テーマ別に7つの章に並べ、各章に簡単なふりかえりを補足。

黒色の表紙は、内容がブラック・ジョークに富んでいるという出版社の誤解から。

2015年10月3日土曜日

広島 幹部研修 第2講

法人版経営者ブートキャンプとして、広島県は安芸の宮島地区で始まった幹部研修の第2講に出かけた。
工場長など、6名に参加して貰い、社長がオブザーバーで出席。

第2講では、「幹部のためのコミュニケーション」などの、私の講義と、戦略カードによる個人発表。「課題のカード出し」と「重要課題三つの選択」のプロセスを、他の参加者に発表して討議。

各部署のリーダーが、このような形でそれぞれの課題を共用したことに社長も大きな満足。
帰りに飛行機が遅れて閉口した。

2015年10月2日金曜日

セブン&アイ、「儲からない」ヨーカ堂はもう売却しかない!(6)

ディベロッパー事業での主体は、イオンモールに代表されるショッピング・センターの開発・運営だ。GMSとしてのイオンを核テナントに置くことにより、多くの小売業にテナントとして入ってもらい、家賃収入を稼いでいる。

イオンのディベロッパー事業は、06年から営業利益ベースで安定的に400億円強を生み出し続けている。

 イオンモールをどこかに新しく開設するとして、GMSであるイオンはフラッグシップとして欠かせない。トータルのビジネス戦略としては、テナント募集の撒き餌という性格のほうが強いのではないか。イオングループは不動産開発の企業グループになったととらえるほうが、利益構造的には理解しやすい。
 

※ 『間違いだらけのビジネス戦略』(クロスメディア・パブリッシング/山田修)が11月5日発売予定!本連載過去記事が一冊に。

2015年10月1日木曜日

セブン&アイ、「儲からない」ヨーカ堂はもう売却しかない!(5)

鈴木敏文セブン&アイHD会長が「イトーヨーカ堂を立て直すまでは引退できない」としているなどとも伝えられているが、私は信じていない。そんなことは老害経営者が引きたがらない理由として語ることであり、名経営者である鈴木氏の最後の大仕事としてイトーヨーカ堂売却を期待したい。

脱小売化するイオン


 一方、イオンの場合は、創業・岡田家の経営方針もあり、また現実的な選択の可能性としてGMSの事業売却はないだろう。
 しかしイオンをグループ総体としてみると、実は小売業ではないのだ。前述したようにGMS事業はすでに赤字事業だ。代わりに15年2月期で金融事業が530億円、ディベロッパー事業が430億円、その他が300億円の営業利益を叩きだしている。

(この項 続く)