2016年8月30日火曜日

『間違いだらけのビジネス戦略』韓国で出版へ

『間違いだらけのビジネス戦略』(山田修)は、昨年末クロスメディアパブリッシング社から刊行された。

国内著名企業40余の会社の戦略を紹介し、分析批判あるいは称揚した。それはおのずとそれらの会社の経営者たちへの評価となっている。

中には結構な辛口の評価と取られた記事もあり、そんな切り口でも話題となった書でもある。

話題のビジネス書ということで、韓国の出版社から望まれ、彼の地で翻訳出版されることが決まった。年内には刊行される運びだ。

拙著は今まで数冊が中国語と韓国語で翻訳出版されている。異国の読者にどう迎えてもらえるか、今回も刊行が楽しみだ。

2016年8月29日月曜日

カリスマ講師 箱田忠昭の「幹部・リーダーのためのコミュニケーション術」 9月10日

部下をやる気にさせる、業績を向上させる 箱田式必殺コミュニケーション術とは

リーダーズブートキャンプの特別講義がオープン・クラスとして特別申し込みを受けます。

セミナー概要
幹部やリーダーになったらコミュニケーション、つまり、プレゼン力やネゴシエーション力がますます重要で必須になります。しかもこれらの技術は学校では教えてくれません。今回のセミナーではその重要性、秘訣、具体的なやり方を伝授します。
セミナー内容
カリスマ講師 箱田忠昭が少人数クラスで実習やドリルも含めながら直接指導。
土曜日の午後、1時間45分という凝縮された箱田式コミュニケーション術のエッセンスが伝授される。

※「リーダーズブートキャンプ」プログラムのオープンクラスでもあります。 オープンクラスなので実現できた、コンサイスで参加しやすい単発セミナー。伝説のカリスマ講師箱田忠昭の真髄に触れられる手軽で格好のチャンスを見逃すな!
こんな人におすすめ

経営者、幹部、企画管理職、リーダー層
期待できる効果
部下たちに自分の考え、部門の方向を的確に伝えられるようになり、部下からの要望や悩みなども吸い上げられるようになる。その結果、自部門、あるいは自社の業績向上に結び付けられる。




2016年09月10日(土)   13時30分 ~ 15時15分
15,000

詳細とお申し込みは
info@insightlearning.co.jp

2016年8月28日日曜日

リーダーズブートキャンプ 第4講は新将命講師も 三大講師がそろい踏み

リーダーズブートキャンプが第1期としてスタートして8月27日に早くも第5講を迎えた。参加者の意欲はいや高く、伝統は立派に受け継がれさらに隆盛だ。

今回は新将命講師の「勝ち残る企業のとリーダーの条件」の特別講義。1時間45分のセッションには、経営者ブートキャンプのOBも多数駆けつけてくれた。

特別講義の後は、小グループ発表のコメンテーターにも新講師が入ってくれた。セッションには、発表者の他にはファシリテーターが私、コメンテーターに新講師と連なり、もう一人の参加者コメンテーターが緊張していた。残りの受講者は傍聴してもらって、パネルのセッションとしてやった。

箱田忠昭講師も終日陪席してくれて、三大講師がそろい踏みした、参加者にとってとても贅沢な一日となった。

2016年8月21日日曜日

黒霧島、いいちこ抜きNo.1に…一点突破戦略で売上7倍、懸念は「飽き飽き感」(7)

まず、供給の問題だ。焼酎には各商品で使われる特定の芋種がある。黒霧島で使われる「黄金千貫」は、同社が展開する宮崎県都城市近辺のシラス台地という特有な風土に最適な品種だ。同社は、この地区での芋栽培農家2000軒以上から供給を受けている。しかし、いずれ材料の供給限界に直面してしまい、第5工場の稼動で手一杯となる懸念がある。

 次に、酒類飲料という嗜好品が有する「飽き」、あるいは「ブーム」の問題もある。「皆が飲むから飲む」という段階にまでくると、「皆が飲むから今度は別のものを飲んでみたい」という傾向も生まれる。典型的なのが化粧品だ。焼酎銘柄でシェア20%を超えた黒霧島も、危険な領域に入ってきた。今後15年同じ成長が続くのかと考えれば、その危険は明らかだ。

「黒霧島に続く新製品を続々と発表している、それらはオンリー・ワン商品なので競合なく売れている」

 同社は「赤霧島」「茜霧島」「黒宝霧島」「Ax霧島」などを販売しているが、サブブランドというのはそこそこ売れるが、いくつリリースしてもメインブランドを超えることはなく、また並立するほどの柱にもならない。アサヒビールの「スーパードライ」を想起してもらえればいい。

 黒霧島が直面する上記のような壁は同社にとって成長限界となる危険性がある。江夏氏が掲げている年商1000億円を超えて同社がしっかり「Through」していくためには、新たな戦略の設定が必要だろう。ひとつの方策として、単なる輸出ではない本格的な海外進出が有効だと私は見ている。

(この項 終わり)

2016年8月20日土曜日

黒霧島、いいちこ抜きNo.1に…一点突破戦略で売上7倍、懸念は「飽き飽き感」(6)

霧島酒造は100年企業だが、その躍進はこの15年ほどのことである。その前の85年間、同社は従業員を大切にしてこなかったのか、お客様を幸せにしようとはしていなかったのか。そんなことはないだろう。

 霧島酒造の成功は、黒霧島の開発というマーチャンダイジングとそれを拡販させたマーケティングにある。それが2大成功要因だと私は見る。

横綱・白鵬 をCM起用、焼酎で天下


 同社は14年、黒霧島以前の主要製品だった「霧島」を「白霧島」と改名した。そして、横綱・白鵬をCMに起用した。それは、私にはまさに同社の「業界横綱宣言」に聞こえた。

「今年、年商700億円をうかがい、それを超えて酒造会社としては未踏の1000億円企業を目指す。ただの業界1位に甘んじてはいけない、と社内に言っている。大きく突き抜ける首位、『Through』を目指す」

「突きぬける」、つまり日本酒焼酎メーカーとしては未踏の領域に登っていく、という意味だが、それには越えなければならない壁がある。

(この項 続く)

2016年8月19日金曜日

黒霧島、いいちこ抜きNo.1に…一点突破戦略で売上7倍、懸念は「飽き飽き感」(5)

商品開発とマーケティングが効を奏した


 霧島酒造は、黒霧島の展開で業界勢力図まで一新した。
「当社の売り上げは、13年に日本酒焼酎メーカーが日本に2088社あるなかで1位となりました。同時に、それまで麦焼酎の売り上げより下位だった芋焼酎が上回り、長年焼酎の製造量で鹿児島県が全国1位でしたが、芋焼酎を主とする宮崎県が抜き去りました」

 霧島酒造の大成功の要因について、江夏氏は「全従業員の物心両面の幸福を追求すること、これは稲盛和夫氏から直に学んだことです。そして、お客様に喜びを与え続けることです」と語る。
 この2つの経営哲学が霧島酒造を躍進させた、と江夏氏は言うが、本当なのだろうか。

(この項 続く)

2016年8月18日木曜日

黒霧島、いいちこ抜きNo.1に…一点突破戦略で売上7倍、懸念は「飽き飽き感」(4)

いきなり最大市場である首都圏に攻め入ることをせず、地方の中核都市で黒霧島が焼酎飲料のなかで上位シェアを取ってから別の都市に展開する、というものである。

九州が地場なので、まず福岡を攻め落とそうとしました」

 江夏氏は、博多などで徹底したサンプル瓶の配布を朝から出社するサラリーマンに展開したそうである。サンプルにはアンケートがあり、そのアンケートのファックスが来ると、30本ものさらなるサンプル瓶パックをその会社の職場に持参するという作戦だ。なかには何度もアンケートの回答を送ってサンプル・パックを繰り返しねだる図々しいケースもあったそうだが、構わず対応した。

「話題になり、知名度が上がればいいと思ったのです」

 こうして「黒霧島前線」は、広島、大阪、名古屋と北上して、最後に満を持して首都圏に攻め入ったそうだ。地域戦略的なマーケティング展開である。「点から線へ」、あるいは「一点突破全面展開」だ。江夏氏は「ランチェスター戦略でした」と明かす。

(この項 続く)

2016年8月17日水曜日

黒霧島、いいちこ抜きNo.1に…一点突破戦略で売上7倍、懸念は「飽き飽き感」(3)

「黒霧島」の成功は素晴らしかった。13年にはいいちこを抜き、本格焼酎(乙類焼酎)で国内1位を達成する。霧島酒造の年商は今年700億円近くとなり、黒霧島の発売以来、デフレ下にもかかわらず7倍に達したと、江夏氏はチャートで示した。この間、本格焼酎全体の国内総販売金額は07年にピークを迎え、その後10年間で8%下降している。

「デフレ下でこの規模の成長を遂げた製造業は、当社と日亜化学だけだったそうです」と、専務が誇った。しかもここ数年の同社の対売り上げ経常利益率は15%にも上っているという。これは上場企業を見渡しても通常の製造業では稀有の好決算だ。

ランチェスター戦略で市場攻略


 良い製品を出せば自動的に売れる、というのはもちろんメーカー的な発想である。新しい呑み心地を問うた黒霧島も自動的に売れ始めたわけではなかった。
「『横展開式ドミナント戦略』を展開したのです」

(この項 続く)

2016年8月16日火曜日

黒霧島、いいちこ抜きNo.1に…一点突破戦略で売上7倍、懸念は「飽き飽き感」(2)

「黒霧島」で無二の快進撃


 1916年に芋焼酎の蒸留を始めた霧島酒造は、創業100年を迎えた。1990年代後半までは、マイナーな焼酎メーカーのひとつにすぎなかった。

 転機は、96年に江夏氏の実父である2代目社長・江夏順吉氏が急逝した時に訪れた。兄・江夏順行氏が社長に、拓三氏が専務に就任する。当時の同社は焼酎業界では8位で、トップの「いいちこ」は同社の看板商品「霧島」の5倍の売上高と、大きく水を空けられていた。

 麦焼酎が当時主流を占め、芋焼酎は劣勢にあったのだが、三代目兄弟は「芋臭くない焼酎」の開発を目指し、98年に新製品「黒霧島」を世に問うたのである。

「トロッと、キリッと」
 マーケティングも担当する江夏氏が「黒霧島のキャッチフレーズは私が考えました」と、述懐した。


(この項 続く)

2016年8月15日月曜日

黒霧島、いいちこ抜きNo.1に…一点突破戦略で売上7倍、懸念は「飽き飽き感」(1)

霧島酒造 HP」より
霧島ホールディングス(HD)の代表取締役専務、江夏拓三氏の講演を聞きに行った。同社の事業会社・霧島酒造が先立って、拠点とする宮崎県都城市内に新工場を建設すると発表し、その好調ぶりに興味を持ったのだ。

「5番目の工場となる志比田第二増設工場が2018年8月に稼動すると、当社の生産能力は1.8リットル瓶換算で1日4万本となり現在の4工場体制(合計16万本)から25%高まる。総投資額は157億円。」(江夏専務談)

 江夏氏はエネルギー溢れる経営者だ。講演会場のフロアに歩み出て、声もジェスチャーも大きく聴衆に語りかけた。成功している経営者らしく、自信にあふれ威風堂々である。その江夏氏が、同社の成功譚を情熱的に語ってくれた。

(この項 続く)

2016年8月12日金曜日

知事=公職への「誠実さ」欠落する鳥越氏を落選させた東京都民に、私は敬意を示したい(7)

そもそも今回の都知事選は「舛添的でないもの」の選択、収斂として展開されていたはずである。そうだとしたら、鳥越氏はこの時点で完全にその資格を失ったと、私は考える。

「文春」の後を追って、「週刊新潮」(新潮社/8月4日号)は被害女性当人への取材録を公表している。こちらの記事についても鳥越氏はただちに名誉毀損で告訴し、事実無根だとしている。

 都知事という重要な公職の候補者にもかかわらず、鳥越氏は自らの説明責任から逃走した。また、問題指摘に対して言論の開示によって対応せずに、弁護士を通じて刑事告訴したことも、ジャーナリストとしての鳥越氏の自殺行為といえる。

 ちなみに「新潮」はその取材を03年に行っていたといい、最近スクープを連発してきたライバル誌「文春」の先行報道に焦って古い取材録を持ち出したともいえる。「新潮」は「文春」を凌ぐ生々しい報道を行ったのだが、そんな材料を持っていたのなら、なぜ「文春」より先に記事にしなかったのか。

 被害者たちが当時記事化を望まなかったというが、「文春」は今回その壁を乗り越えて報道した。週刊誌ジャーナリズムというのは大胆な報道を先行させて世の検証を仰ぐ、そして社会大衆の審判を促すというところに真骨頂がある。「文春」は今回も「新潮」を凌いだといえる。

 今回の都知事選は、調子よく後出しじゃんけんで出馬した候補者が、後出し記事による「新潮」で引導を渡された、という妙に平仄が合った構図で終わった。
 鳥越氏を都知事として迎えなかった都民の選択に、敬意を表したい。

(この項 終わり)

2016年8月11日木曜日

知事=公職への「誠実さ」欠落する鳥越氏を落選させた東京都民に、私は敬意を示したい(6)

そもそも12日の立候補会見で、太平洋戦争開戦時の自らの年齢を15歳も誤って語り私たちを唖然とさせたし、その後の記者会見やテレビ番組では何度も質問を聞き間違えた、あるいは聞きなおしていた。単純に76歳という年齢が影響している可能性があるのではないかと私は心配していた。

とどめが女性スキャンダル報道への対応


 自身の女性スキャンダルが「週刊文春」(文藝春秋/7月28日号)で報じられた鳥越氏は、同21日に街頭演説の後で記者団と応答をして、見解を述べた。

「裁判になったり法的な問題ですので、うかつに私の口から具体的な事実についてあれこれ言うのは控えさせてください。これはすべて、そういう問題については、私の法的代理人である弁護士の方に一任をしております。以上です」

 これは、舛添要一前都知事が疑惑を指摘されて、「第三者機関」なる自費で弁護士による御用委員会を立ち上げて「すべては第三者委員会が明らかにする」と逃げ回ったのと同じ構図だ。

(この項 続く)

2016年8月10日水曜日

知事=公職への「誠実さ」欠落する鳥越氏を落選させた東京都民に、私は敬意を示したい(5)

公約や政策はないが、批判だけはあった


 政策や公約を語ることには寡黙な鳥越氏だったが、自分に対しての批判に対しては敏感で強い対応をした。

 7月19日に至りようやく3有力候補がそろい踏みしたテレビ番組『バイキング』(フジテレビ系)で、小池氏に突っかかったのである。17日に小池氏が秋葉原で行った街頭演説で述べた、
「この人なら勝てるといって政策も何もない人、病み上がりの人をただただ連れてくればいいというものではないんです」
という発言に対して、

「これはね、がんサバイバーに対する大変な差別ですよ? 偏見ですよ」
と強く抗議したのだ。

 しかし、東京都というのは13兆円という予算を有し、それはインドネシア一国を上回るという規模の自治体なのだ。そこの長を決めようという選挙で健康というのはとても重要な判断要素となる。小池氏は同番組で謝罪してしまっていたが、正面から論じたほうがよかった。

(この項 続く)

2016年8月9日火曜日

カリスマ講師 箱田忠昭の「幹部・リーダーのためのコミュニケーション術」 9月10日

部下をやる気にさせる、業績を向上させる 箱田式必殺コミュニケーション術とは


リーダーズブートキャンプの特別講義がオープン・クラスとして特別申し込みを受けます。

セミナー概要
幹部やリーダーになったらコミュニケーション、つまり、プレゼン力やネゴシエーション力がますます重要で必須になります。しかもこれらの技術は学校では教えてくれません。今回のセミナーではその重要性、秘訣、具体的なやり方を伝授します。
セミナー内容
カリスマ講師 箱田忠昭が少人数クラスで実習やドリルも含めながら直接指導。
土曜日の午後、1時間45分という凝縮された箱田式コミュニケーション術のエッセンスが伝授される。

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経営者、幹部、企画管理職、リーダー層
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部下たちに自分の考え、部門の方向を的確に伝えられるようになり、部下からの要望や悩みなども吸い上げられるようになる。その結果、自部門、あるいは自社の業績向上に結び付けられる。



2016年09月10日(土)   13時30分 ~ 15時15分
15,000
詳細とお申し込みは
http://www.seminars.jp/s/247436


知事=公職への「誠実さ」欠落する鳥越氏を落選させた東京都民に、私は敬意を示したい(4)

街頭演説以外でも、有権者に対する鳥越氏のアプローチには大いに疑問符が付いた。7月17日に『新報道2001』(フジテレビ系)で3候補の討論が企画されたのだが、鳥越氏のドタキャンにより収録は取りやめとなり、3人の直接交流の機会が阻害された。

7月24日に行われたニコニコ動画インターネット討論会には増田氏、小池氏を含む5人の候補が登場して意見・政見を述べたが、鳥越氏はまたも欠席した。

 今回の都知事選挙へ向けての選挙運動で、私が鳥越氏に対して抱いた印象は、

「都知事という重要な公職に対する候補者としての選挙活動として、まったく誠実さに欠ける」

というものだった。

公約や政策はないが、批判だけはあった


(この項 続く)

2016年8月8日月曜日

知事=公職への「誠実さ」欠落する鳥越氏を落選させた東京都民に、私は敬意を示したい(3)

告示後の選挙活動期間に入っても鳥越氏は、増田氏、小池氏に比し活発な選挙活動を行っていない。

午前中は陣営内の打ち合わせに当てられていたのか、街頭演説は午後に集中する傾向があった。7月16~18日の3連休は、各候補が都民に直接訴える絶好の機会だった。この3日間で最もたくさん街頭演説を行ったのは増田氏で22回、小池氏も21回を数えた。

 鳥越氏はわずか7回で、他有力2候補の3分の1という体たらくだった。しかも、巣鴨地蔵通り商店街では、酷暑のなかで聴衆を20分ほど待たせて遅れてきた挙句、ろくに話もしなかったのである。すぐに歌手の森進一に応援演説を託してしまい、みずからの演説というか話というのは1分間もなく、候補者本人に対して聴衆から怒号が飛ぶという成り行きとなってしまった。

(この項 続く)

2016年8月7日日曜日

リーダーズブートキャンプ 第4講は新将命講師も 三大講師がそろい踏み

リーダーズブートキャンプが第1期としてリスタートして8月6日に早くも第4講を迎えた。参加者の意欲はいや高く、伝統は立派に受け継がれさらに隆盛だ。

今回は新将命講師の「勝ち残る企業のとリーダーの条件」の特別講義。1時間45分のセッションには、経営者ブートキャンプのOBも多数駆けつけてくれた。

特別講義の後は、小グループ発表のコメンテーターにも新講師が入ってくれた。しかも2セッション!それぞれのセッションは、発表者の他にはファシリテーターが私、コメンテーターに新講師と連なり、もう一人の参加者コメンテーターが緊張していた。残りの受講者は傍聴してもらって、パネルのセッションを2回やった。

箱田忠昭講師も終日陪席してくれて、三大講師がそろい踏みした、参加者にとってとても贅沢な一日となった。

次回、8月27日にも新特別講師の特別講義があり。傍聴を希望される方がいればメールで連絡くれれば状況を説明する。

2016年8月6日土曜日

知事=公職への「誠実さ」欠落する鳥越氏を落選させた東京都民に、私は敬意を示したい(2)

目を覆う準備不足と不見識


 過去の都知事選における“後出しじゃんけん立候補”では、とにかく告示1週間前までには主要候補が出そろっていて、政策や公約の準備・表明までなんとかこぎつけていた。

 しかし、7月12日の出馬会見で具体的な政策や公約について問われると鳥越氏は、「昨日の夕方に出馬を決めたばかり」として発表せずに、私たちを唖然とさせた。「公約もいずれ公表する」などと、これでは3有力候補以外の候補者たちのほうがよほど覚悟や信念を持っていると私は印象を持った。

 さらに少子化問題を問われて東京都の合計特殊出生率を「若干、他の地域よりは出生率は高いといわれていますけど、1.4程度です」と誤り、その後メモを渡されて、「東京都の出生率は1.17で、全国最低」と訂正した。準備もなければ勉強も間に合わなかった。

(この項 続く)

2016年8月5日金曜日

知事=公職への「誠実さ」欠落する鳥越氏を落選させた東京都民に、私は敬意を示したい(1)


7月31日に投開票が行われた東京都知事選は、増田寛也氏、小池百合子氏、鳥越俊太郎氏の3有力候補で争われ、告示2日前に出馬表明をした鳥越氏は一敗地にまみれた。

 今回のように現職が出馬せず新人同士が争った都知事選は、過去4回続いていずれも最後に出馬表明をした主要候補者が当選してきた。そんなこともあり、早々と出馬意向を示していた小池氏は鳥越氏に対して「究極の後出しじゃんけん出馬になると思います」と対抗心とも不快感とも取れる発言を、鳥越氏の出馬日にしていた。

「後出し出馬のジンクス」に加えて、鳥越氏にはジャーナリストとしての知名度の高さもあり、候補者の選定に苦慮していた野党各党からも歓迎され、急遽統一候補として野党4党の支援も得られることになった。選挙戦が始まった段階では、鳥越氏有利と見る向きも少なくなかったのである。

目を覆う準備不足と不見識


(この項 続く)

2016年8月4日木曜日

パンツがバカ売れで絶好調のしまむら、成長終了の兆候…極限の超効率至上経営がアダに(8)

一方、しまむらの海外事業といえば、台湾と中国に進出したとはいえ、その売上寄与率は1%にも達していないとみられる。

 野中社長の興味は、現下好調なオペレーション経営のひたむきな精緻化にあると私には見える。しかし、国内の成長限界に近づいてきたしまむらの場合、それを超える大きな舵取りがなければ、早晩天井に突き当たるだろう。

 14年期、15年期と創業以来の連続赤字に沈んだ後、16年期と17年期は好調の波がやってきた。18年期以後がその波が打ち返すサイクルとならなければ良いのだが。

(この項 終わり)

2016年8月3日水曜日

パンツがバカ売れで絶好調のしまむら、成長終了の兆候…極限の超効率至上経営がアダに(7)

ロードサイトでなく都市部、つまり都市中心への出店も検討している、ともしていたが繁華街への出店ということになると、従来型の店舗の大きさは確保できない、あるいは異型の床店舗への出店とならざるを得ないだろう。となると、しまむらのお家芸となってきたオペレーション経営の角を矯めて牛を殺すことになる。オペレーション経営の前提となっているのが各店におけるオペレーションの均一化、だからだ。

 そこへいくと、ファストリの実質的創業者である柳井正社長の志は、やはり一目置くべきものがあると私は思う。ユニクロの海外店舗数は928店(16年5月現在)と国内のそれを上回り、大きく伸び続けているし、コントワー・デ・コトニエやプリンセス タム・タムなどのグローバル事業としては1366店舗も世界中に展開している。

(この項 続く)

2016年8月2日火曜日

パンツがバカ売れで絶好調のしまむら、成長終了の兆候…極限の超効率至上経営がアダに(6)

次の成長はどこにある


 しまむらの足元の好調に目を奪われ、「ユニクロが追いつけないしまむら経営」とか「次の成長は」と囃す論調が見えるが、私の見解は異なる。

「15年、16年と好調となったしまむらは、それ以上に成長を続けられるのだろうか」

 まず、2社の日本国内における店舗数が大きく違う。「違う」というのは、しまむらのほうが多いのだ。しまむらの店舗数が2015店、ユニクロが846店(いずれも16年5月末現在)だ。しまむらの国内売上が5400億円強、ユニクロは7800億円強である。

 しまむらは、郊外ロードサイド型の出店では限界に近づいていると私は見る。田中社長は「3000店舗体制に向けて、組織運営とコンピューターシステムを新しくする」(16年期決算発表会)と勇ましかったが、マクドナルドでも3000店を達成したら逆に飽きられてしまったことが思い起こされる。

(この項 続く)

2016年8月1日月曜日

パンツがバカ売れで絶好調のしまむら、成長終了の兆候…極限の超効率至上経営がアダに(5)

しまむらの店舗は、郊外におけるロードサイド店が原則。土地の選択に余裕が持てる。各店はそのサイズや棚の位置などが徹底的に本社主導で共通化されている。そして、どの棚にどのアイテムを置くかまでを本部がすべて決めている。販売価格も本部が決める。

全店の売上データも単品まで細分化して管理しているのだ。各店で意思決定をすることを徹底的に減らして、パートの店員が最低限の人員で運営できるようにしているのだ。

 一方、本社ではセントラルバイイング制(本部一括仕入制)により、3カ月先の先読みを行って品揃え計画を立て、100名以上のバイヤーが500社以上のサプライヤーと緊密に情報交換をして仕入れ決定をし、原則として返品なしの売り切りというビジネスモデルだ。

 私はこれを「オペレーション経営」と呼んでいる。自社小売チェーン全体のオペレーションの効率を徹底的に推し進めるやり方だ。

(この項 つづく)