2012年4月29日日曜日

「実践!企業再生52週間プログラム―この7つのステップで劇的に変わる」 書評137

拙著、ダイヤモンド社、2003年刊。
http://www.amazon.co.jp/dp/4478374414

自著を「書評」というのもおかしいのだが、当ブログの分類カテゴリーがあるので、そうすることにした。

絶版になっている旧著を持ち出したのは、今年になって
「本書を読んだ」
「手に入らないか」
という反響を幾つも(つまり今週も)いただいたからで、中には
「山田本の中で一番役に立つ」
と、著者自身としては複雑に思う感想を言ってくれる経営者の方も複数いた。

2003年と言えば、まだミード社で現役の社長を務めていた時代。考えてみれば当社も、ex山田時代6年以上も大赤字だったのが、私が着任してからはすっかり優良会社(少なくとも財務的には)に変身した。そんなことを、他の会社でどのように再現「出来るのか」ということを具体的に書いた書である。思い出とともにー。 それにまだ役に立つらしい。

2012年4月28日土曜日

「ダイナミック競争戦略論・入門 」河合忠彦 書評136(5)


直線と曲線(2)

ダイナミック・ワールド・グラフの中で曲線は「消費者満足曲線」だとされた。直線(例えば「ポーター直線」)に対応するそれぞれの曲線の傾き、開きは、ダイナミック・ワールド理論を理解するのに説明的に配置されている。

章が進むと、書評136(4)で引用したように、複数の曲線(全て双曲線と見える)が錯綜存在し、それらによって分けられあるいは囲まれた領域集合によって、ダイナミック・ワールドは犀利に解説されていく。逆に言うと、双曲線群が存在しないと、その領域群は形成されない。

それらの双曲線の「開き」と「傾き」の設定・配置は、著者の立論には沿ったモノであるが、実証されたモノではない。あるいは、特定の企業(または競合する複数の企業)の商品価格情報(直線的なモノが予想される)を積分するなどしたなどの、幾何数学的な処理手順が示されていな。

書名が「入門」とされているので、本書ではこれら曲線群の(対応直線に対する)傾きと開き、接点などのデータは割愛されたということだろうか。

(この項 続く)

2012年4月27日金曜日

「ダイナミック競争戦略論・入門 」河合忠彦 書評136(4)

出典:同書149p

直線と曲線(1)

河合教授がダイナミック・ワールドを敷衍しているグラフには、議論が進むに連れ、幾つもの直線と曲線、そしてそれらに囲まれた領域群が示される。

領域分けはそのまま10種類以上の「ダイナミック戦略のタイプ」(表6-1)に対応するとして、図示解説されているわけだ。

縦と横に配される直線群は、「価格」と「機能」に対応する、あるいはそれらに対する傾きなので理解しやすい。問題は、曲線だ。これらは「消費者満足曲線」とされる。

ダイナミック・ワールドのグラフは、実は直線だけでは成立しない。直線に対する「傾き」と「広がり」を有する曲線を配することにより、それぞれの「領域」が発生している。あるいは発生しうる。

(この項続く)



『雇われ社長のプロの仕事術』が「本日の選書」に



『雇われ社長のプロの仕事術」(山田修近刊、ぱる出版)
http://www.amazon.co.jp/dp/4827207046

「ビジネス選書&サマリー」というネットのビジネス書評。1日1冊という方針で「本日の選書」を紹介している。

3月28日に選出、紹介されていた。書評子に感謝。

2012年4月25日水曜日

【実践!戦略立案技術】(13)

解決策の策定


◆設定した課題に「解決策」を考える

前回は、経営戦略立案の「ステップ3:課題の発見」を説明しました。「3年という戦略の時間枠」の中で、「是非解決したい経営課題」を3つ認識、確定(つまり設定)したわけです。

今回は、ステップ4となる「解決策の策定」を説明します。

まず、設定した3つの経営課題の右側に「選択マーク」と、順不同で結構ですのでABCなどと「課題番号」をつけておきます。

以下、課題の1つについて、展開の方法を述べますが、残りの2つも同様に行ってください。

「ダイナミック競争戦略論・入門 」河合忠彦 書評136(3)

ニュートンとアインシュタイン

河合教授は本書で、マイケル・ポーターの競争戦略セオリーでは説明の付かない企業事例などを、特にユニクロの分析で綺麗に指摘している。

しかし、ポーター・ワールドを全否定しているわけではなく、ご自身が本書でも主導展開しているダイナミック競争戦略論にポーターの理論は包摂されるのだ、としている。

アイザック・ニュートンの重力理論を、後にアルベルト・アインシュタインが相対性理論を確立して前者を吸収したような関係構造だというわけだ(この比喩は山田によるモノ)。

但し問題は、リンゴが落ちる話はe=mc2よりよほど分かりやすかった、ということでもある。

(この項続く)

2012年4月24日火曜日

【実践!戦略立案技術】(12)

重要課題の確定が「戦略の入り口」となる
◆大きな課題を認識できれば大きな成果が

「カード出し」から「カード選び」の過程で、自社にどんな大きな問題があるか、これから3年の間に是非解決したい重要な経営課題は何なのか。それを洗い出せることが「経営者としてのセンス」と言えるでしょう。

「課題解決型の戦略立案」を走らせているのですから、ステップ3でどれだけ大きな経営課題を認識できるか、つまり「気づき」と、それをいかに「言語化」できるかが重要です。「戦略シナリオ」の入り口でよい課題設定ができれば、その出口となる次の「解決策」、すなわち具体的な戦略計画でよい展開が期待できます。

次回は「ステップ4:解決策の策定」に進みます。

2012年4月23日月曜日

「ダイナミック競争戦略論・入門 」河合忠彦 書評136(2)

マイケル・ポーターの競争戦略セオリーは、1980年代に発表され、実に30年余も命脈を保ち続けている学説である。「命脈を保ち続けている」とは「広く一般的に知られ、一般的にはその妥当性が容認されている」という意味だ。

しかし、ポーター・セオリーによって説明の付かない幾つもの企業事例の出現あるいは指摘により、アカデミーの世界ではポーター・セオリーに対する批判あるいは対抗学説などが提出されてきた。

河合教授は本書で、「ポーター理論の7つの謎」という括りで、ポーター・セオリーを巡る対抗学説の立場を整理して取り纏めている。そして結論として
「ポーター・セオリー」が前提条件無しで適用されるのは「スタティック(静的)な市場環境」である

とし、
現在の環境はダイナミックなモノとなってきているので「ダイナミック(動的)・セオリー」で解説されなければならない
とした。

(この項続く)

2012年4月22日日曜日

「ダイナミック競争戦略論・入門 」河合忠彦 書評136(1)

中央大学ビジネススクール河合忠彦教授著、有斐閣、新刊。

「ポーター理論の7つの謎を解いて学ぶ」という副題が興味を引く。競争戦略論の教祖、マイケル・ポーターのセオリーについて、日本屈指の経営戦略論の学者が「もの申す」という風なタイトル立てではないか。

そして、本書のポジショニングも実際その通りなので、経営戦略、なかんずく競争戦略論に興味のあるヒトなら目を開かされるところが多い。

河合教授のアプローチの特徴は、ポーター・セオリーを含む、競争戦略セオリーを「価格」と「機能」による2次元グラフを使って解説するところにある。戦略セオリーを幾何学的に図式して、ユニークな直線、曲線によって既存セオリーの分析・解説をしているばかりが、ご自分の「ダイナミック競争セオリー」も展開・解説している。

(この項続く)

【実践!戦略立案技術】(11)

重要課題の確定が「戦略の入り口」となる


◆課題解決型の戦略立案法
もうこれ以上出ない、というところまで「カード出し」をしたら、多くのカードの中から、「これだけは解決したい」という重要なカードを3つ選び、「選択マーク」をつけます。

選び出したカードには、裏に「選択理由」を書きます。ここでは文章は1つに限定しません。後で説明できる、「コミュニケータブル」とするためです。どの課題カードを選ぶかは、経営者の価値観によります。ですからその判断や価値観を示すために、裏に「理由書き」をするのです。

「目標カードと課題カードは論理的には繋がっていない」と説明しましたが、「課題カード」を選ぶときには「目標カード」を意識するといい。つまり、「その課題を克服できれば、どれだけ3年目標を実現できるか」ということが、「課題カード」の選択尺度の1つになるのです。

「戦略カードとシナリオ・ライティング」による戦略立案法は「課題解決型」なので、実質的には重要課題の確定にあたるこのステップ3が、「戦略シナリオ」全体の入り口となります。

2012年4月20日金曜日

【実践!戦略立案技術】(10)



◆解決したい課題のカード出し
前回、経営戦略立案の「ステップ1:3年経営目標の設定」と「ステップ2:目標合意」を説明しました。今回は、ステップ3となる「課題の発見」を説明します。
「課題」とは、「経営課題」のことです。「全社戦略」を策定しようとするのなら、会社の中に存在する困った問題を「大きなものから小さなものまで」あるいは「重要なものも些末なものも」すべて洗い出してみましょう。会社全体に関わる課題も、特定部門に偏在する課題もカード出しします。「戦略カード」を使って、できるだけ多くの「カード出し」をするのです。
◆「目標」と「課題」の違い
「ステップ1:目標設定」で出したカードは、「3年後に実現したいこと」なので、カードでの表現は前向きなものでした。
一方ステップ課題の発見」では現在困っている、何とかしたい「経営課題」を書き出すので、その表現は「××が問題である」といったような「困った」表現とします。
なお、すでに設定した「目標」からは「課題カード」は出てきません。したがって、ステップ1とステップ3は論理的には繋がっていない状態です。

2012年4月18日水曜日

「あたりまえだけどなかなかできない係長・主任のルール」井上和幸 書評135

明日香出版社、最新刊。

いろいろ出来のよい本。まず、狙いがよい。組織の中に架けられた出世梯子の第一段に足がかかり、一番胸躍り不安な層に対して書かれた。この第一段を上手く登れるかで、この梯子をどの位登っていけるかが決まる、という著書の見立ては正しい。

その上で具体的なアドバイスが100に小分けして示されている。著者は、リクルートという異常に活気がある企業で新卒入社して勝ち上がった。そして日本有数のエグゼクティブ・サーチのコンサルタントとなっているわけだ。経営者や幹部とも何千人も話してきた。

出世梯子の上と下をよく見てきたから、アドバイスが具体的で、またユニークだ。つまり、的を得ているし、分かりやすい。
「チームでもっともあきらめの悪い奴になれ」
など、秀逸なモノが多い。読者となる層へのエールと愛情が、前書きに集約されて表現されていて好感を持てる。

2012年4月17日火曜日

富士重工業 吉永泰之社長 「コスト競争は苦手」は正しい戦略

富士重工業 吉永泰之社長が日経ビジネス4月16日号の「編集長インタビュー」に登場、製造業の経営者としては珍しい哲学を開陳している。

「コスト競争は大の苦手」
「安全と楽しさで差別化追求」
など。

「価格」と「品質」を金科玉条のようにオウム返ししている幾多の製造業社長の中にあって、異質だ。しかし、吉永社長は経営戦略に直覚的に優れている経営者だと、私は思う。

経営戦略って、「ヒトの行かない裏道に桜を探す」という行為なわけである。吉永社長がアイサイトという独自機能、そして水平対向エンジンという独自ポジショニングで、つまり機能で勝負しようというのは正しい。

インタビューした編集長が終わりの「傍白」で
「この先、(傘下に収めた)トヨタがスバルの強みを尊重し、無理にトヨタ流に染めようとしなければ、この資本提携は、さらに果実が実るような気がしました」
としているのも、当を得た見解だと思う。

私の車は、スバル・レガシー(カー・オブ・ザ・イヤーのモデル)である。スバルはよい経営者を置いたと寿ぎたい。

「コーチング・バイブル」 ローラ・ウィットワース他 書評134

東洋経済新報社、2002年刊。

「バイブル」と大見得を切るだけあって、この分野の先駆けにしてスタンダードとなった本。

コーチングを目指すヒトのテキストでもあるので、実施していくときに使う資料や、面談トーク例も豊富。セオリーと相まってしっかりした書である。

コーチングのテクニックと理論を表面的にだけでも知っておくことは、管理職には有効なことだろう。部下との面談の時に使えるし、何より自分の感情をコントロールできるようになる可能性がある。部下と対しているときの自分と、その2者を第3者的な感覚で観察し理解できる視点が獲得できるからだ。

この本自体での事例としては、あまりビジネス場面のモノはすくなく、一般人のコーチングのモノが多い。また、エグゼクティブに対しては悩み解消的には機能するのだろうが、戦略立案的なことについてはツールとして戦略カードを使用する技法には勝ることがない。

【実践!戦略立案技術】(9)



◆目標合意


重要目標が確定したら、次のステップに進む前にできれば「目標合意」をしておきましょう。戦略策定者が部門責任者なら経営者や役員会と、策定者が経営者自身なら資本家や役員会と「目標合意」することになります。

ここで「目標合意」をしておくと、後で全体の戦略発表をしたときに、上位ステークホルダーの思惑と齟齬が生じるようなことがありません。ただし、オーナー社長が戦略策定などをする場合は、目標「合意」をしておくべき相手がいないので、このステップは割愛します。

管理職研修で部門戦略を策定するようなプログラムでも、このステップは時間的に割愛されることが多いものです。

次回は「戦略課題の確定」のステップです。

2012年4月16日月曜日

【実践!戦略立案技術】(8)



◆重要カードの絞り込み


定量目標も定性目標も数多く出し切ったら、すべてのカードを見渡し、重要カード3枚を選び出し、選択マークをつけます。どれを選ぶかは、ひとえに経営者の価値観によります。選択したカードの裏には、選択理由を書いておきます。

◆「網羅主義」と「効率主義」と

「コミュニケータブル」

できるだけ多数の「カード出し」を行うプロセスを「網羅主義」(ありえることをできるだけ想起する)、「カード選び」を「効率主義」と呼びます。実際の経営行動では時間などの経営資源が限定されるので、すべての目標や課題などに対してアクションを起こすことはできません。そこで、「何が重要か」という優先順位により行動選択をすることが決定的に必要なのです。

選択したカードの裏に選択理由を書くこと、それはここでも「自分の思索を言語化」することにつながります。そして後になって、資本家や社員などに説明できるようにしておくのです。戦略パッケージができあがった時点では、「コミュニケータブル」(伝えられる)なものになっていなければなりません。戦略は、伝達・共有しなければ機能しないからです。

2012年4月15日日曜日

国際ビジネスブレイン社 新将命社長とジョイント・研修プログラム

国際ビジネスブレイン社 新将命社長とジョイントで、某社で経営幹部(執行役員以上)の研修プログラムを始めた。

昨日今日と二日間にわたり新(あたらし)先生が下記を担当。
講義、グループ討議と発表、質疑応答と総括で鋭く突っ込んだ。
1.「勝ち残る企業創り」
2.「リーダー人財」

2週間ほど間を置いて私が第3日目、また3週間ほど置いて第4日目を担当する。
私の2日間では、部門経営戦略を実際に作って貰う。新先生と私のコラボ・プログラムは何度も展開しているが、今度も各参加者にしっかりした成果物を残すように準備している。同社の社長の期待も大きい。

新先生は、経営者ブートキャンプの特別講師でもある。5月から始まる第5期では、第3講(7月)に登壇いただき、2時間のクラスと、その後のグループ討議の一班を受け持ってくれる。少数に分かれるグループ討議では、私や新先生などの特別講師が個別指導に入るので何とも贅沢な指導だといつも言われる。    http://www.keieisha.jp/seminar120512.html

【実践!戦略立案技術】(7)



◆カードを使って目標出し


「戦略カード」(市販の「情報カード」で代替可)を使って、3年後に実現したい企業目標を書き出します。「1枚のカードに1項目を、1つの文章で」を原則に、できるだけたくさんのカード出しをします。

カード出しをする際は、集中できるように隔絶した環境で、十分に時間をかけましょう。文を書き下ろすことで、「思索の洗い出しと定着」が実現し、手で書くことにより連想が湧きます。私はこれを「1人ブレーンストーミング」と呼んでいます。

2012年4月14日土曜日

リッツ・カールトン 元日本支社長 高野登氏 経営者ブートキャンプに登壇

「究極のホスピタリティ」経営を示現したとして広くリスペクトされているザ・リッツ・カールトン。

その日本支社長を務められた高野登氏を、経営者ブートキャンプの特別講師として招聘した。高野さんは5月から始まる第5期経営者ブートキャンプで、ホスピタリティ経営の神髄について講義していただく。

第5期で登壇いただく特別講師は他に、
新 将命 氏 (元ジョンソン&ジョンソン社長)
出口 治明 氏 (ライフネット生命 社長)
井上 和幸 氏 (経営者JP 社長)

の各氏を予定している。いずれも複数の著書をお持ちの著名な経営者の方々。
「経営者が教える経営者のための経営者ブートキャンプ」の異名にふさわしい顔ぶれと自負している。

【実践!戦略立案技術】(6)



◆経営戦略の時間枠は3年

全社戦略でも部門戦略でも、これから改めて経営戦略を立てるなら3年という時間枠で考えるのがよいでしょう。5年後や10年後だと遠すぎて、ミッションとかビジョン、あるいは夢を語ることにしかなりませんし、1年後では来年のことなのであまりに近すぎます。これからの3年間に何を行い、どんなことを実現したいのかをはっきりと言語化して定着させるのです。

3年間の戦略プログラムを策定するために、前回示した「5つのステップ」を踏んでいきます。

「戦略カード」(市販の「情報カード」で代替可)を使って、3年後に実現したい企業目標を書き出します。「1枚のカードに1項目を、1つの文章で」を原則に、できるだけたくさんのカード出しをします。

カード出しをする際は、集中できるように隔絶した環境で、十分に時間をかけましょう。文を書き下ろすことで、「思索の洗い出しと定着」が実現し、手で書くことにより連想が湧きます。私はこれを「1人ブレーンストーミング」と呼んでいます。

2012年4月13日金曜日

「メンタルトレーニング実践講座」田中ウルヴェ京 書評133

PHPビジネス新書2009年刊。

あの田中選手が20冊以上も専門書を著している専門家に変身していたとは知らなかった。著者は、ソウルオリンピックでシンクロ銅メダルを取ったあの選手。

一流アスリートでお話しが上手なヒトは、文化講演などで好く登場している。私も自分が出講した講演会などで何人もお話しを聞かせて貰った。それらの「元選手」「元監督」のお話しというのは、興味深いが結局は「あのイベントの思い出話」なので、引退後に足し上げて来た内容を聞けることが少ない。

著者は、しかし米国でスポーツ心理学で修士を取得した後も、あちらの大学院で認知行動療法などを学んだという。数ヶ国でナショナル・コーチを歴任した。

本書は、管理職に初任となったビジネス・リーダーを対象に書かれた。リーダーの大変さ、ストレスの性格と原因を解説し、対応策を具体的に提示している。新書なのでコンパクトにまとめられて読みやすい。対象設定された読者層に有益だろう。

2012年4月12日木曜日

経営者JPで経営者向け講演会 2回満員

経営者JPで4月11日、16時と19時に2回、各2時間講演。
「伸びる社長のプロの社長術」。

2講とも満員。最近著『「雇われ社長」』のプロの仕事術』(ぱる出版)の出版記念セミナーとして開催。
http://www.amazon.co.jp/dp/4827207046

経営者ブートキャンプ第5期(5月開講)の説明会も兼ねていたが、希望する方が多く事務局では調整に入った。再受講希望者が多すぎ、新希望者枠を確保して上げたい。ttp://www.keieisha.jp/seminar120512.html

第6期(10月予定)からは上級コース(既存コースを「基礎コース」として、そのOBを対象にしたコース)の開設をすることにした。

2012年4月9日月曜日

【実践!戦略立案技術】「経営戦略を“実際に”立てる」(5)


◆5つのステップ


経営戦略を立てるには、上の<図>で示した5つのステップを踏んでいきます。こうすれば、経営戦略で外せない必要要素をカバーしながら、各社の実情に合った経営戦略の核となるシナリオを形成することができます。そのためのツールとして用いるのが、「戦略カード」です。

この連載では、これから5回にわたって各ステップでの展開の仕方を具体的に説明します。その手順に沿って取り組めば、各社独自の経営戦略を形作っていくことができます。この機会に、ぜひ貴社ご自身の経営戦略を立案してみてください。

2012年4月8日日曜日

『「雇われ社長」の、、』  「本日の選書」に

 『「雇われ社長」のプロの仕事術」~社長は4つのことだけやればいい!~』 (山田修、ぱる出版)
http://www.amazon.co.jp/dp/4827207046

「最近発刊されたビジネス書の中から、ビジネスパーソンにお薦めの書籍を毎日一冊厳選して、コメント付きで紹介しています。」

というのが、ネット書評ブログの「ビジネス選書&サマリー」。3月28日に取り上げて貰った。

(引用)
「社長がやるべきことは4つ。成長戦略、組織の効率化、モチベーション、コミュニケーション。なるほど。企業再生請負人が教える社長の教科書。 」など。
http://www.bbook.jp/today/purpose/economy/post_1376.html


2012年4月7日土曜日

【実践!戦略立案技術】「経営戦略を“実際に”立てる」(4)


◆課題解決型 戦略立案
5つのステップ

ステップ1       目標の設定       「3年目標」のカード出し、選定、理由の裏書き
  (一人ブレーン
  ストーミング)
ステップ2       目標合意         資本家、役員会など
  (コミュニケータブル)
ステップ3       課題の発見        カード洗い出しから重要課題、理由の裏書き
  (気づき)
ステップ4       解決策の設定      課題それぞれにカード出し、重要カード、理由、
  (思い付き)                     戦術カード
ステップ5       派生問題と対処     重大障害と対処策カード
  (リスク・マネジメント)

2012年4月6日金曜日

『「雇われ社長」のプロの仕事術』読売新聞一面に広告が

『「雇われ社長」のプロの仕事術』(拙著近刊、ぱる出版)の広告が、4月6日読売新聞朝刊の1面に。

<新刊出版記念講座> 「伸ばす社長」のプロの仕事術講座」
4月11日(水)開催
16時と19時より各2時間(同内容)
残席 僅少

参加者にもれなく、直筆サイン入りの新刊謹呈。
経営者ブートキャンプ第5期(5月から開講)の説明会も併催。
セミナー詳細と申し込み:
http://www.keieisha.jp/seminar120314.html

同書のアマゾンは下記
http://www.amazon.co.jp/dp/4827207046

2012年4月5日木曜日

【実践!戦略立案技術】「経営戦略を“実際に”立てる」(3)


◆シナリオ・ライティングで戦略を形作る

経営戦略の立案とは、「頭の中にある経営に対する思索」を認識し、明示することから始まります。つまり、戦略は言語で立てる。日本人なら、日本語で立てるわけです。経営に対しての思いをはっきりさせる「言語プロセス」がその発動となるわけです。そして、資本家や部下などに説明できる「言語パッケージ」に仕上げることで「経営戦略」としての体を成します。

経営者の頭の中にはあるけれどまだ整理されていない思索の体系を、言語化してはっきり示す過程を「シナリオ・ライティング」としてとらえることができます。経営戦略の叙述をシナリオを書くように展開することで、各社独自の経営戦略を形作ることができます。

2012年4月4日水曜日

【実践!戦略立案技術】「経営戦略を“実際に”立てる」(2)


◆立案技法の不在

経営戦略論は世に溢れていますが、「実際に経営戦略を立てる方法」ということで知られた本はありません。

あるのは、戦略を立てる前段階として自社や周辺環境の分析を説いたもの(SWOTなどのフレームワークと呼ばれるもの)か、成功した有名企業の戦略を分析・解説したもの(マイケル・ポーターの競争戦略論に代表される戦略セオリーと呼ばれるもの)です。

“コンセプトの重要性”を啓蒙していても、そのコンセプトの作り方については指南していない本が多いのです。

2012年4月3日火曜日

【実践!戦略立案技術】「経営戦略を“実際に”立てる」(1)

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが会員経営者に出しているメジャーなメルマガに、昨年秋から今三月まで月次で連載をしていた。
このメディアには6ヶ月単位で出稿を頼まれ、これが4回目。今回の連載が終了して、私のブログに転載を許可されたので、本日から順次連載する。

【実践!戦略立案技術】「経営戦略を“実際に”立てる」
◆どう立てる、経営戦略

経営者なら誰でも、自分の会社の経営を“優位に”推し進めて発展継承していきたいと思っています。「経営を優位に展開する」ということは、ちゃんとした経営戦略を用意して、それに基づいて経営していくということに他なりません。

ところが、経営者なら誰でもきちんとした経営戦略を立て、中長期的に経営に当たっているかというと、実はそうではありません。そもそも「経営戦略ってどう立てればよいのか」と戸惑っている経営者の方が多いのです。

2012年4月1日日曜日

『「できる人」の時間の使い方』箱田忠昭 書評132

3月23日に著者の古稀の誕生会を祝った。私には公私ともにお世話になった恩人でもあり、30年来の年上の友人にして先輩だった。私が実業を引退して著述業に専念するようになってからは、セミナー・研修分野でのかけがえのない恩師となってくれた。


フォレスト出版、2005年刊。
著者は100冊以上を刊行しているが、アマゾンで「売れている順」で並べると、上位4冊がこの「できる人・シリーズ」で本書はその三番目に出てくる。
本書は、著者が立身出世を果たした、若い頃の刻苦奮励の様が描かれていて、説得力に富む。「自己開示」を必ず挟んで読者の共感を獲得するのは、カリスマ講師として著者が演壇上で駆使する技法でもある。しかし、著者の努力、苦労話がやはり並大抵なモノではないので、大いに効果を発揮する。

タイム・マネジメント社(日本におけるシステム手帳の元祖)の日本法人社長を務めただけあって、有効な時間の使い方についての提言は大いに参考となろう。よく整理されているし、読みやすい。ロングセラーには理由がある。