2012年4月28日土曜日

「ダイナミック競争戦略論・入門 」河合忠彦 書評136(5)


直線と曲線(2)

ダイナミック・ワールド・グラフの中で曲線は「消費者満足曲線」だとされた。直線(例えば「ポーター直線」)に対応するそれぞれの曲線の傾き、開きは、ダイナミック・ワールド理論を理解するのに説明的に配置されている。

章が進むと、書評136(4)で引用したように、複数の曲線(全て双曲線と見える)が錯綜存在し、それらによって分けられあるいは囲まれた領域集合によって、ダイナミック・ワールドは犀利に解説されていく。逆に言うと、双曲線群が存在しないと、その領域群は形成されない。

それらの双曲線の「開き」と「傾き」の設定・配置は、著者の立論には沿ったモノであるが、実証されたモノではない。あるいは、特定の企業(または競合する複数の企業)の商品価格情報(直線的なモノが予想される)を積分するなどしたなどの、幾何数学的な処理手順が示されていな。

書名が「入門」とされているので、本書ではこれら曲線群の(対応直線に対する)傾きと開き、接点などのデータは割愛されたということだろうか。

(この項 続く)

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