実績を示せなかったこと、経営者はそれに尽きる
しかし、私に言わせれば、西川氏の最大の蹉跌は、日産の経営者としてなんら顕著な経営実績を挙げられなかったことだ。それどころか、西川時代に入ってからの経営状況は大きく後退し、企業価値は毀損されてしまっている。
ゴーン氏が実質トップだった逮捕前の18年11月の日産の株価は、1020円前後だった。ところが、今月6日の終値は674円と、34%も下落している。企業価値(株式総資産額)としては、なんと約1兆4000億円も毀損している。日産の株主を中心としたステークホルダーとしては、これが西川経営の「1年間の決算」だとしたら憤激に絶えなかったのではないか。西川退陣の正式決定を受けて、9月10日の日産株価の終値は697円となり、市場はこれを歓迎した。
日産の直近の19年度第1四半期(4~6月)決算をみてみると、売上高は2兆3724億円で対前年同期比12.7%減。トヨタは同3.8%増、ホンダが同0.7%減だった。日産の2桁減収というのは「一人負け」ということだ。
(この項 続く)
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