ここ数年、LIXILの藤森義明社長やベネッセホールディングスの原田泳幸社長など、外資系もしくは外資系色の強い企業から日本のオーナー企業への転籍・活躍が目立ち、「プロ経営者の時代」などと囃されている。メイ氏もヘッドハンターを通じた「オープン・マーケット」での経営者調達の例だ。
しかし、メイ氏がそうした「プロ経営者」なのかというと、現時点では不分明だ。藤森氏や原田氏のように前職での華やかな経歴やトラック・レコードをひっさげての登場ではない。ユニリーバでマーケティング・マネジャーを務め、日本コカ・コーラではマーケティング担当の副社長だったとはいえ、活躍が業界外にまで聞こえてその名が知られていたというわけではない。
昨年10月には組織再編を行い、「幹部の平均年齢が5歳若返った」(メイ氏)という。工場や物流の無駄を削っているとも報じられているが、それは当然の施策ともいえる。1026種類あるトミカも「90%の利益は365種類から生まれている」とメイ氏は指摘し、本社の管理部門も企画・開発部門にシフトを考えているという。打とうとしている手が小粒の感は否めず、そもそもまだ実行されていない。
「再生経営者は最初の6カ月が勝負」というのが筆者の経験則であり、黄金律だ。ファンドが損切りをした昨年12月がメイ氏の6カ月目に当たる。明けた新年、この再生経営者は、どんな大胆な改革の一手を打つのだろうか。真価が問われる。
(この項 終わり)
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