2015年1月8日木曜日

燃料電池車がエコカーの主役&ガソリン車を侵食する理由(2)

戦後しばらく東京など大都市の家庭燃料はプロパンガスだった。各家庭にはガスボンベが搬入され、使い切ると入れ替えられた。そんな社会的インフラが都市ガスの普及と共に10年ほどで一掃されてしまった。

「イノベーションのジレンマ」で説明できる「抜本的な製品交代」の最近の事例として、銀塩フィルム・カメラからデジタル・カメラへの移行、そしてそれに付随して起こった米コダックの倒産がある。フィルム・カメラを駆逐したデジカメも、今では普及が進むスマートフォン(スマホ)によって駆逐されつつある。少なくとも、コンパクト・デジカメは壊滅的状態となっている。このフィルムカメラ→デジカメ→スマホという「抜本的な製品交代」は、わずか10年ほどの間で起こった。

ガソリンスタンド業界の特殊事情


 ガソリンスタンドから水素ステーションへの転換を考える上でもうひとつ大きな要素が、地下に設置されているガソリンタンクだ。この地下タンクは寿命が約30年といわれ、まさに今多くの地下タンクが交換時期を迎えている。ところが地下タンクの設営には数千万円規模の金額が必要であり、かつ交換作業期間は休業を強いられる。これが現在、特に大都市部でガソリンスタンドの数が急減している大きな原因となっている。

(この項 続く)

0 件のコメント:

コメントを投稿