2015年1月27日火曜日

パナソニック、負け組から完全復活 剛腕・津賀社長の“称賛に値する”経営&大改革(2)

「それにもかかわらず」のパナソニックの意思決定は評価されるべきである。企業経営とは「状況対応業」だからだ。円安が進んでしまった、それではどうする? という状況に対してパナソニックは動いたのだ。パナソニックのアジリティ(機敏)のある動きに対して、例えば競合のシャープ幹部は「生産ラインを復活させるには、かなりのコストがかかる」(1月5日付読売新聞記事より)としているが、「勝ち組」とされるパナソニックに対してシャープが「負け組」といわれる理由が透けてみえる。

●「パナソニックは負け組」発言の真意


 津賀一宏氏が2012年6月にパナソニック社長に就任した時、筆者は自身のブログで「パナソニック社長交代、津賀一宏社長の再生戦略は『家まるごと』だ」と書いてエールを送った。パナソニックはその後、自動車関連に加えB to B分野に軸足を移し業容を拡大させ、業績回復を果たした。テレビ部門出身の津賀氏が果断にプラズマテレビ事業を閉鎖した意思決定は賞賛に値するし、12年10月には約7000人いた旧本社部門を再編し、150人程度のコーポレート戦略本社に削減した豪腕には肝を潰した。

 代わりに設立した、備品管理など社内総務関連の間接業務を請け負う子会社パナソニックビジネスサービス(PBS)も3月までには売却するという。社員数が約900人のPBS売却で、間接業務を担うグループ企業の再編にほぼメドがつく。

(この項 続く)

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