MBA(経営学修士)プログラムの日本におけるハシリといえば、慶應義塾大学大学院だった。慶應の場合は日吉キャンパスに2年間に昼間通学するという通常の修士プログラムと同じなので、社会人には敷居が高く感じられた。
2000年代に入り、雨後の筍のように社会人経営大学院コースが開講されたのには、大学側の商売事情も大きかった。少子化の影響が大学にも及んできて、各大学では目新しいプログラムを提供して学生を確保しなければならなくなっていたのだ。結果、地方大学から関西の大学までが東京の地の利のよい場所に「サテライト・キャンパス」を開設し、仕事帰りのビジネス・パーソンの獲得を競い合った。一方、志のあるビジネス・パーソン側からすれば、平日のアフター5と土曜日を使えば2年間で憧れのMBAを取得できる。
しかし、新興のMBAコースの品質は、玉石混淆といった状況も見受けられる。筆者の知り合いがこの9月、ある経営大学院を卒業してMBAを取得した。彼は、「同学年には120名ほどの学生が入学しましたが、卒業までただの1度もクラスメートと会ったことはありません」と驚く話をした。
(この項 続く)
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