●アジア一流校留学、とてつもない財産に
とはいえ、欧米のビジネススクールへの留学は近年激減しているのが現状だ。入学を許される英語力や、2年間にも及ぶキャリアの中断、そして何より近年の授業料の高騰などがその理由だ。ハーバード大学などトップ・スクールで学ぶ費用は、生活費を含めると2年間で2000万円になったと聞く。その間の「得べかりしサラリーマンとしての年収」も足し合わせると、よほど経済的に余裕がなければ選択できる途ではない。
そこで、これからのMBA留学の狙い目は、実はアジアにある。世界の大学ランキングでは近年、14年こそ東京大学が巻き返したものの、シンガポール国立大学や香港大学は東大を凌駕しつつある。MBA校ランキングでアジア1位となったのは、これも香港の香港科技大学(HKUST)のビジネススクールである。留学にかかる総費用もハーバード大の半分程度で済む。地理的に日本から近いことも何かと便利だ。
何より強みとなるのが、アジアで経済を牛耳っている華人系企業の御曹司やらが多数入学しているので、彼らと強固で親密なネットワークを築けることだ。中華系ビジネスは、彼らの言うところの「関係(ガンシー)」によって構築、展開されるので、そのネットワークに入れることは将来とてつもない財産となる。
アジアに進出している、あるいはその可能性があるオーナー企業の子息などにとっては、MBAをアジアの一流校で取ることが、絵に描いたような国際派の次世代経営者の端緒となり得るのである。
(この項 終わり)
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