さて、上述のようにスタイルの異なる経営者の登場、そして新しい資本関係が生まれるZOZOの新経営に対して、危惧をいだく論評も見受けられる。冒頭に掲げた日経新聞の記事をその一例として私の見解を述べたい。同記事には、たとえば次のような論評があった。
「競争環境が厳しくなるなか、創業者が去った後も社員には革新性を発揮することが求められている」
これは難しいことだと思う。というのは、革新的なことを思いつくには、大きな志、やりとげる腕力、そして実現するリーダーシップなどが必要だからだ。これらの優れた素質は多く創業経営者に見られ、会社員、あるいはチーム構成員側に見られることは少ない。
ミュージシャン上がりというユニークな前歴で荒唐無稽ともいってよいアイデア、あるいは志に満ちた前澤氏だからこそ、現在のZOZOというビジネス・モデルを具現化できたわけだ。コンサル上がりでロジックに優れた経営者からは、破天荒となるべき「革新」が生まれにくいのが通常だ。調和を重んじるはずの「チーム経営」と破壊的な「革新」とは逆の方向を向いているからだ。
ZOZO内の革新より、アライアンスとのフュージョンを
(この項 続く)
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