2016年1月22日金曜日

川崎重工、想定外の損失計上で快進撃にブレーキ…「負け犬」船舶事業を捨てるべき(3)

実は村山氏が社長に登板したのも、この船舶海洋部門の動きと関連していた。13年に前経営陣が同部門改善の究極の一手として三井造船との経営統合(全社)を図ったのだが、村山氏など他部門の取締役の反対があり解任された。

ROIC経営とはPPMの変形


 村山氏は、ROIC経営という耳慣れない経営技法を引っさげてこの巨大企業を率いてきた。

川崎重工で主要事業とされるのは、他に「ガスタービン・機械」「モーターサイクル&エンジン」「車両」「プラント・環境」「精密機械」だ。「船舶海洋」と「航空宇宙」と合わせて7主要事業とされる。ROICはリターン・オン・インベステッド・キャピタルの略、つまり投下資本利益率だ。経常利益額を投下資本で割った数値で、大きいほどいい。

 川崎重工の場合、Y軸に営業利益額、X軸にROIC(%)を取る。座標軸はそれぞれをゼロとすると、4象限からなるチャートが得られる。このチャートに7事業の数値をプロットし、さらにそのプロット点を中心に当該事業の年商を円として表すと、規模感も一目で掌握できる。

(この項 続く)

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