2016年1月29日金曜日

社員の老親介護問題、企業存続を揺るがす深刻さ…自分で介護&費用拠出はダメ(4)

自分で介護させない、介護をマネジメントさせる


 佐藤教授は言う。

「社員が自分で介護したのでしょう? それでは駄目です。現在一介護案件について、一度限りですが連続で最大93日の介護休暇を与える法制になっています。しかし、自分だけで介護しようとする限り、この93日間を過ぎてしまったらどうするのですか。この期間に、自分で介護しなくて済むために動くことを、その社員に啓蒙するのが会社側に期待されることなのです」

 佐藤教授が出席者たちに、現行の介護保険の制度をどれだけ知っているかと尋ねると、多くの者がしっかり認識していないことがわかった。「ご自身は介護保険に加入していますか?」という質問に、多くの参加者がとまどった。答は「40歳から全員加入する」だが、私も含めて、まさに介護をする側となる「介護世代」の人たちである。なかには、会社で人事部門に属する人が自社の介護支援制度をしっかり理解していない、という状況も明らかとなった。

「社員の介護問題について、企業自身が何か介護したり手助けしたりということではありません」(佐藤教授)

(この項 続く)

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