次期社長の選考を開始していたことは、藤森氏には伝えられていなかったのではないか。それが指名委員会の性格だからだ。そして、「16年6月の株主総会をもっての降板」などを告知された藤森氏が、「そんなことなら早々に」と唐突な発表会を経て新年からの瀬戸氏の着任という道を選んだと私は見る。
道半ばで去るプロ経営者
会見で藤森氏は「コンフォタブル(快適)な状態になったら辞める。それがプロ経営者というもの。私はプロとしての信念とプライドで(退任を)決めた」と語ったが、それは真意ではないだろう。オーナーからの通告を受けた雇われ社長の心が折れてしまったのだ。こんな場合に心が折れるのも、プロ経営者の矜持として私には理解できる。「君に任せた、頼む、といっていたのにふざけるな!」と、藤森氏が思ったとしても驚かない。
(この項 続く)
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