2015年4月3日金曜日

介護保険報酬 9年ぶりの引き下げ デイケア事業者の淘汰も とびっきりホールディングス社は戦略で対応(2)

今回の引き下げで特に影響を受けるのが、通所介護事業所(通称:デイケア)といわれるショートステイだ。デイケアの数は、2002年4月時の9726事業所から12年4月時には3万1570事業所と、10年間に3倍強となった(厚生労働白書<13年版>)。

その基本報酬が約5~6%下がるという発表で、休業を決めた事業所もすでに出てきた。定員が10人以下のデイケア施設「小規模デイ」では、年間240万円ほどの減益という試算もある(3月2日付介護職向けウェブマガジン「けあZine」記事『介護報酬改定を受けて小規模デイ経営者が思うこと』より)。

●介護事業にプロ経営者


 しかし、そんな介護事業者にとっては逆風の中で「当所は価格改定などせず、戦略対応で乗り切っていく」という経営者がいる。とびっきりホールディングス(HD)代表取締役の松田淳氏だ。小規模事業者が多いデイケア施設で同社もその例外ではないが、とびっきりHDの特徴は、自社をベンチャー企業として明確に捉え、プロの経営者がその事業を発足させた点だ。

 松田氏は以前、大手銀行の行員だった。企業再生ファンド転職して、さらにターンアラウンドマネジャーとして独立。とあるメーカーの再生に成功して、自分もエグジットしていた。「次は起業を」と考え、09年に筆者が主宰する「経営者ブートキャンプ」で半年間学ぶ間にデイケア事業の起業戦略計画を練り上げた。

(この項 続く)

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