2015年4月23日木曜日

寺に油がまかれるとセコムが儲かる、という考えは経営者に必要な戦略的思考である(2)

拡大するセキュリティ市場

 他方、時代を先見する企業は、すでに戦略的な展開を始めている。

 例えばキヤノンだ。同社は、昨年デンマークのビデオ管理ソフトウェア会社、マイルストーンシステムズ社(本社:コペンハーゲン市)を買収した。監視カメラ事業の強化が狙いと見られる。そして今月8日には、スウェーデンのアクシス社の株式を公開買い付けで76%取得して、同社を傘下に収めると発表した。アクシス社は監視カメラで世界首位のメーカーだ。ソフトとハードの強者2社を買収して、キヤノンはそれぞれの分野で世界トップに躍り出る。特に監視カメラのビジネス・チャンスはこれから膨大なものとなることが予想される。

 防犯設備の市場が拡大する一方で、施設や企業をアナログで監視警護する、つまりヒトによる警護も需要が高まっている。ヒトによる監視というと、日本ではアルソックやセコムなどの警備会社が有名だ。中でも業界1位のセコムが急激かつ順調に伸びている。警備員を配置する旧来型の派遣サービスだけではなく、ITなどを駆使した「新時代システム警備」というべき分野でも大きく成長している。

例えば、同社が注力している警備サービスに「セコムNVRシステム」がある。これは企業内での監視カメラと出入管理を組み合わせた警備サービスである。

(この項 続く)

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