「10分間でヘアカットだけ」「1000円」というビジネス・モデルは創業者の小西國義氏が編み出した。現社長の北野泰男氏は2005年に入社、前職は日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)というバンカーだった。09年に社長に就任している。
「私自身は技術者ではなく、完全にビジネスマネジメントの面からこの事業に携わっている」(「季刊MS&コンサルティング 2013年夏号」)と、プロ経営者として自負する北野社長はスタイリストと顧客、両方の満足に対してさまざまな手を打ってきた。「スタイリスト」とは、理容技術者に対する同社呼称だ。
社員満足を向上させるには、スタイリストをプロの技術者として尊重し、育成するということだった。前述した私がお世話になった女性のように手荒れなどの問題を抱えていた理容師も活躍できるし、国家資格を取ったのに現場に出ていなかった理容師には、1日8時間のカットスクールを有給で講習している。年に1度の社内イベント「QBカットコンテスト」では、全国2000人以上の頂点を目指してスタイリストたちがカット技術を競う。
これらの施策の結果、以前は50%だったターンオーバー(離職率)が12%までに下がったという(4月6日付キャリコネニュース記事より)。
(この項 続く)
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