2014年5月31日土曜日

孫正義と柳井正 (12) 孫正義は狩猟民族経営

ユニクロなどを展開するファーストリテイリング社長の柳井正氏と、ソフトバンク社長の孫正義氏は、実質的な創業社長として現在日本における2大名経営者だと思います。

ビジネス拡大の手腕については、ともに稀有というべき実績を残してきた2人ですが、その経営手法やスタイルには大きな差異が見られます。差異の筆頭ともいえるのが、「ビジネス・ドメイン(事業領域)」との関わり方でしょう。

●ドメインを果敢に飛び越えてきた孫正義

ソフトバンクの本業として、現在多くの人たちが想起するのが携帯電話通信業者(キャリア)だということでしょう。iPhoneをメイン・アイテムとする日本の三大キャリアの1社です。2010年にはウィルコム、12年にはイー・アクセスを買収し、13年には米国でスプリント・ネクステルを買収してグローバルでも通信業のビッグプレーヤーとしての位置をうかがっています。
 しかし、ソフトバンクの発展を振り返ってみると、実は最初から通信業界の覇者を狙っていたわけではありません。

(この項 続く)