本書は知的刺激に溢れて素敵な本である。
第1章では「知識経営」という概念を提出している。その前提として「ナレッジ・ワーカー」の時代を宣言しているわけだ。
「ナレッジ・ワーカー」は「自らの主観性、価値観が組織や経営者のそれとし合致したときにしか創造的な行為を行わない」と著者はしているが、私の会社にこんな社員が出現したら解任することになる。労働力不足の時代が日本に来ることは確かだが、それでも経営者は選択的な雇用に固執することだろう。
「情報、社員個々人の知識、ノウハウを資産としてみなす組織モデルにがらりと変わったのだ」:そんなことはないだろう。
「知識こそが価値を生み樽最も重要な資源であるという認識はいまや人々に広く共有されている」:著者の周りだけでは共有されているのだろう。
「知識経済の時代が到来している」;「未だその全容を著さないグローバル知識経済前にして」:続いている2つのセンテンス。どちらなのか。
「今日私たちが直面している課題に、適切な処方箋を見つけ出すことは出来ない」:前段の「課題」とは何なのか。それが示される、定義されない場合、このようなステートメントをアジテーションという。
(この項続く)
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