2011年12月1日木曜日

「経営者の器」 連載(15)

可愛い子供は旅に出せ

◆親族承継なら早めの指名を

第3回でも紹介したが、独立行政法人 中小企業基盤整備機構が平成23年3月に発表した「事業承継実態調査」によると、同族企業での経営承継は7割が子供、1割が親族だという。それを踏まえ、私は「早期の後継指名による家督相続型の経営承継」を提言している。

従業員の中から後継経営者を選ぶ場合には、複数の候補者を選定し、経営承継の比較的ぎりぎりまで競争させて、それぞれの能力開発や実績作りに励ませるのがよい。しかし、同じ方法を子供や親族同士に適応すると、それぞれの候補者に与(くみ)する幹部や社員のグループが形成されたりして、「お家騒動」になりかねない。そこまでに至らなくても、最後の段階で経営承継を果たせなかった子供・親族にしこりが残る。

早めに指名しておけば次世代経営者として認知され、その体制構築に向かって組織全体が集約していく。もちろん本人の自覚も促される。

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