2011年12月3日土曜日

「経営者の器」 連載17

若い時に自社で甘やかされて育ち、実力もないまま親族というだけで出世していくと、結局は本人の不幸となる。そんな子供がそのまま経営者の座に滑り込んでしまうと、今度は会社全体の不幸となってしまう。
一方、普通に外部に就職させてしまうのもリスクがある。子供が自分の興味で選び自分の努力で入社した場合、その会社や仕事に愛着が湧き、結果、自社に転職してくれない場合があるからだ。
知り合いで信頼できる外部の経営者に、お願いして預けるのが一番よい。私が社長をしていたとき、代理店のオーナー社長から「長くて20代の間、預かって欲しい」と言われて、ご子息を入社させたことがあった。「この人はいずれお返しする人、そして経営者として大成して欲しい人」と私も思ったので、特別に目を掛けていろいろ教えた。つまり「帝王学」を授けたのだ。このように頼まれた方も、自分の秘書にするなど特別な気遣いをしてくれるものである。

0 件のコメント:

コメントを投稿