2015年3月21日土曜日

武田薬品、壮大な実験?外国人幹部主導の「根こそぎ国際化」(1)

武田薬品工業が2月5日、2015年3月期決算見通しを上方修正して発表した。売り上げは約1兆7250億円と据え置いたが、営業利益を約1700億円と200億円ほど上積みした(いずれも連結ベース、以下同じ)。

前年となる14年3月期に約1兆6900億円だった売り上げはほぼ横ばいだが、営業利益は約1390億円だったので今期は着実に改善して、業績は上向き始めていると読める。

 15年3月期の業績見通しが特に注目されるのは、昨年6月にフランス人のクリストフ・ウェバー氏が社長に就任したからである。ウェバー氏の薬品業界における経歴は、まばゆいばかりだ。仏リヨン第1大学で薬学博士を取得後、世界的医薬品メーカーである英グラクソ・スミスクライン(GSK)に入社、ヨーロッパ、アメリカアジアにおけるワクチン部門を統括した後、GSKフランス会長兼CEO、GSKアジア太平洋上級副社長兼地域統括などの国・地域責任者も歴任している。武田に入社する前はGSKワクチン社長兼CEOの責を果たしていた。

グローバルな大企業で、特定の製品ラインの事業責任と地域責任の両方を47歳の若さで経験してきた。武田の長谷川閑史会長は、ウェバー氏招聘について次のように語っている。

(この項 続く)

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