2015年3月30日月曜日

大塚家具、優勢だった父・会長はなぜ大敗したのか?具体論なき感情的発言連発の代償(3)

例年の10倍となる約200人もの株主が出席し、通常の約3倍となる3時間強を要した総会の議長は、社長である久美子氏が務めたが、淡々とした調子で冷静に議事を進行した。勝久氏は取締役席ではなく、あえて平場の株主席から株主として発言した。

「クーデターによって、1月28日、社長の座を奪われた大塚です」という言葉で始まった勝久氏の長い発言の後、久美子氏は次のように切り返した。勝久氏は発言内で「私には5人の子供がいて、最初の子供はとても難産で」などと家族のことに触れ、それが一般株主に強い違和感を覚えさせた。その後、一般株主が何人も質問に立ったが、勝久氏の独善的な差配を指摘したり、今回の騒動を批判する発言が続いた。


 ところが、勝久氏はそんな成り行きを無視するかのように「(勝久氏の三女の夫である)佐野(春生)取締役に聞きたい。佐野取締役がクーデターの本人だ」など感情的な指摘を続け、「会社をこれからどう再建し軌道に乗せていくのか」といった一般株主の興味から離れていった。総会には報道機関が入ることは許されなかったが、音声が一部流出。勝久氏の発言は感情的なトーンとなることもあった。

(この項 続く)

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