2014年9月8日月曜日

ベネッセ流出事件、原田経営に追い風? (4)


●マクドナルドの営業利益を10倍に

 そんな原田氏のマクドナルドへの転身は04年のことでした。IT業界からファーストフード業界へ、「from Digital to Stomach」という大転身でした。両社はまったく異なる業態・業種ということで世間的にはその転身を危惧する見方も多かったのですが、原田氏はマクドナルドの業績を大きく伸張させてしまいました。

 原田氏の就任までマクドナルドの既存店売り上げは7年連続でマイナスでしたが、着任から8年連続の増収を達成し、11年度の営業利益は281億円に達したのです。その額は、原田氏着任直前の03年度の約10倍にも上りました。
 既存店売り上げが増収を続けた裏側には、70%あった直営店比率をこの期間に30%にまで下げるという戦略的な着手と実践がありました。そしていずれにせよ、改革に対して強力なリーダーシップを発揮したことは間違いありません。原田氏自身が「自分は雇われ社長としては世界でも有数」(「月刊BOSS」<経営塾/2014年5月号>より)と自負を公言しています。

 そんな原田氏が、今度は一転して創業2代目福武總一郎氏が大株主に名を連ねる、実質的なオーナー企業であるベネッセのトップに転身しました。原田氏のスカウトを果たした福武氏は、会長職から最高顧問へ退きましたが、次回は、原田氏がベネッセ再建を進めていく上で想定される懸念点を考察します。

(この項 続く)

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