2014年9月12日金曜日

”お殿様統治”ベネッセ、米国流原田新社長どうする?(4)

ところが同室で執務を開始するや否や、私たち二人はとても居心地の悪い状態であることに気が付きました。T社長は新卒入社からの御曹司で自分の考えはすべて神の声として通る。特に社長本人が主張することもなく、逆にオーナー社長の意向をくみ取って、「言われる前の阿吽の呼吸」で行動するのがよい幹部とされていたのです。T社長に表だって意見を具申するような幹部や部下はいませんでした。

 一方、筆者は前述したとおり米国系企業の環境でのし上がってきた経営者であり外資生活が長く、自分の考えを述べ立て、意思決定のオプションを明示します。つまり、T社の社風の真逆にいたのではないでしょうか。

 筆者は結局、T社本社に席を移して2週間で放り出されました。自分の業績とか経営手腕の結果でないことはその就任期間の短さが示しているので、自らの瑕疵だとは思っていません。日米の企業文化というか経営者文化というのを思い知らされた出来事でした。

(この項 続く)

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