2012年3月25日日曜日

「意志力革命」H.ブルックとS.ゴシャール 書評131(1)

ランダムハウス講談社、2005年刊。訳者の野田智義氏が共著者のスマントラ・ゴシャールの研究仲間にして親しい友人で、ゴシャールを死の床で看取った(2004年)というようなドラマチックな経緯が「訳者あとがき」で明かされている。

野田氏は55才で夭折したゴシャールのことを、「ポーター、ミンツバーグと並ぶ経営戦略論のグルである」
としている。

原著は2004年に発行されているので、ゴシャールの遺稿であり、集大成のようなモノだ。共著者のハイケ・ブルックは野田氏の解説によれば行動心理学者で、本書の第1部(マネジャーや経営者が個人として意志力を向上させることとその駆使について)の部分での貢献が大きい、とのこと。つまりは全体としてはゴシャールの本なのだろう。

本書は第1部と第2部に分かれていて、第1部は個人が対企業貢献に当たっての意志力の価値とその動作メカニズムを説き明かし、第二部では組織(企業側)がいかに意志力に溢れたマネジャー達を涵養できるか、を説いている。

会社経営の成功について、「経営者・マネジャー達の意志力」という要素に注目してその重要性とメカニズムを研究・解説した書を他に知らない。

(この項 続く)

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