2012年3月2日金曜日

大王製紙と創業家側の対立、出口は見えている

井川高雄 元顧問
大王製紙と創業家側との対立が強まってきた。
従来大王製紙の連結子会社とされてきた会社群の内、創業家側による役員の入れ替えなどが実行された結果、その数は37社から19社に減ったという。

さらに創業家側は、大王製紙の工場の近隣に工場を建築するなど、直接競合を辞さない方向に進んでいる。大王製紙側も創業家の影響力を減殺するために株の買い取りを申し出ているが、井川高雄氏は応じる構えはなく非難のトーンを強め、両者は訴訟ごとへと一直線のように見える。
 
例えば朝日新聞では「大王製紙 出口見えず」(本日朝刊)と見出しを打っている。出口は見えている。大王製紙グループは、井川家側と現上場会社側に分かれて、争いを続けていくのだ。結果、王子製紙グループと対抗する唯一の独立系製紙会社グループを形成してきた大王製紙は弱体化し、外部との競合どころではなくなる。5年を出ずして見る影もなくなるだろう。経営戦略的な解はない。その争いは、近親憎悪に似て、井川高雄氏が他界するまでやむことはないだろう。


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