2014年1月29日水曜日

「本物の社長を連れてこい」と言われた日 (6)

 
伊藤麻美氏は、世界的にも有数のめっき技術を持つ日本電鍍工業社の社長。

引用:

伊藤:そんな社内の不安を取り除くために、信頼関係を築くことが、とても大切でした。といっても、大層なことができるわけもなかったのですが。ただ、社内の掃除は率先して取り組みましたし、社員とのコミュニケーションには気を配りました。ちょっとした会話を、日常的にどんどん交わすんです。

― 赤字会社が黒字転化を図る場合は、人件費の削減が真っ先に検討されると思いますが。
伊藤:経営のプロからもよく言われました。でも私は絶対に、社員を切りたくなかったんです。前任者が一度、そのようなリストラを行っていましたが、それで業績はよくならなかったし、それどころが社内の士気がさらに落ちたからです。だったら、違う方策を探るべきだと思いました。(略)
 
 そこで、業績に関わる数字を全部、社員全員に開示することにしました。

― 全部ですか。
伊藤:現在の売り上げから経費、粗利、赤字にいたるまで洗いざらい公表しました。みんなショックを受けていましたね。


引用終わり
(原記事)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140117/258429/?P=1
そして「社内コミュニケーション」だ。いずれ著書が出ると思うが、身近な規模の企業再生譚として、そして教科書のような事例の本となるだろう。楽しみである。
(この項 終わり)