2014年1月14日火曜日

『なぜ新しい戦略はいつも行き詰まるのか?』清水勝彦 書評191(3)


清水教授の提言の骨格の第1「戦略はやってみなければ分からない。」

この指摘には別に反対ではない。しかし、その提出プロセスが貧弱だ。経営学の教授と言うことを考えるととても弱い。

というのは、そのことを主張するために特定の企業ケースをしっかり取り上げているわけでもなく、多くの企業事例を数値的に処理して傾向や法則を指摘しているわけでもない。

このように「論証」を割愛してテーゼを述べるのは、それはまず学術書ではないだろう。私がエッセー風に持論や自分が信じるところを披瀝するのと変わりはない。私の方がまだ実経営体験に裏打ちされている分だけまし、ということになってしまうだろう。

さて「経営戦略はやってみなければ分からない」という認識に立って、著者は
「組織内の個人に頼ろう」
と言い出すのだが、、

(この項 続く)