2012年6月23日土曜日

「モリー先生との火曜日」ミッチ・アルボム 書評141(3)

Morrie Schwaltz & Mitch Albom
イギリスでそれが起こるか

本書に書かれている旧師との交歓、そして旧師の家族同士の交流が、著者によって「愛」だと説明され、本書を通じて「死」に相対しての「愛」の重要性、再認識が啓発されている。

アメリカではまさにこの点が多数の市民の支持を得たのだろう。しかし、たとえばイギリスではこのようなあからさまな愛情の発現流露は評価されるだろうか。紳士の国では、自己抑制と謙虚、努めて感情を表さないこと、それが社会的な-少なくともアッパークラスの-美意識となっている。「欧米人」と一つにくくれるわけではない。

本書評の前項で私が示した違和感は、実はアメリカのキリスト教的価値観と東洋(あるいは日本独自)の社会規範や価値観との相克だということを次回述べる。

(この項 続く)

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