経営者も人間なので、完全であるわけではない。いつも「合目的」的に行動するわけでもないし、試行錯誤をしたり集中を欠いたりして不整合と見える動きをすることは珍しくもない。せっかく招聘した2代目社長がとんでもなく成果を出すと、複雑に思ってしまうオーナーは実は少なくない。
最近の例では、LIXILの藤森義明社長はプロ経営者として立派に職責を果たしていたのだが、創業家の潮田洋一郎氏は藤森氏の退任を実現した。潮田氏は、この公開企業の株式の3%しか保有していないが、オーナー的に振舞っているようだし、遇されている。
穐田氏采配下のクックパッドは、好調な業績を示していた。15年12月期で年商(連結ベース、以下同じ)は対前年比60%増、営業利益も65%増である。年商は147億円で営業利益は65億円、その営業利益率たるや44.2%という高率を叩き出したばかりだ。
佐野氏がおもしろく思わなくなった契機のひとつとして、15年5月にみんなのウェディングをTOB(株式公開買い付け)により買収・統合したことだったかもしれない。「料理の分野で伸びていく」としていた佐野氏の範疇を、自身が創った会社が越えていってしまうと感じたのかもしれない。
(この項 続く)
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