2016年4月16日土曜日

老害化した天才経営者・鈴木セブン&アイ会長、なぜ退任に?一介の雇われ経営者の末路(4)

ロイター/アフロより
「セブン&アイ・グループのように売り上げ規模10兆円を超える大企業で、世襲のような役員就任があるのは極めて珍しい。オーナー企業や創業家が存在する企業であれば、経営者の係累が役員になるのは珍しくないし、受け入れられることだろう」


 今年に入ると、年明けの1月8日にはイトーヨーカ堂社長だった戸井和久氏(61歳)が鈴木氏に辞表をたたきつけている。戸井氏は昨年社長に就任したばかりで、GMS部門を立て直すエースとして囑望された経営者だ。同氏は鈴木会長からの要求、叱責があまりに熾烈だというので耐えられなくなったとされる。

経営者と資本家の関係


 今回、井阪氏の更迭案について創業者でもある伊藤氏が、「イトーヨーカ堂の社長に続いて、今度はセブン-イレブンの社長を外に出してしまうのか」と思ったとしても無理がない成り行きだったろう。

しかも、セブン-イレブン事業は伊阪氏の指揮の下、5年連続で増収増益を達成している。これでは、伊藤氏どころか2人の外部委員がいる指名・報酬委員会でも支持される役員案とはならなかった。

(この項 続く)

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