2010年10月23日土曜日

「あなたの会社は部長がつぶす!」(35)初めて星四つレビュー


アマゾン読者レビューに8つのものがアップされているが、先週初めて「星4つが」付いた。全文

今まで6社の社長を務め、全て再建した経営コンサルタントの社長指南書である。著者によれば、今までのビジネス書は多くが大企業を想定して描かれているので、日本の企業のほとんどを占める中小企業の事例とは、ずれるところが多いという。いくらジャック・ウエルチが「選択と集中」で、不採算事業は切り捨てろ、と言ったところで主たる事業が一つしかない会社でそんなことをしたら「潰れてしまいますがな」と言われてしまう。

 業績不振な会社を、ヘッドハンティングされたばかりの著者がどのように立て直したのか?そのノウハウは意外にシンプルであり、著者はその業界の素人ではあっても、「経営のプロ」であったのだ。

 新任社長の著者がまず行うのは、社員の力を引き出すためにコミュニケーションを最大化する。別に飲みに行くわけではない。経営幹部、中間管理職、一般社員からじっくり話を聞き、会社の問題点を洗い出す。この時点で明らかになった「すぐに処理できない、もっともな指摘」こそ重要な経営情報だ。そして、経営幹部は一掃するかゼロベースで査定する。今までうまくいかなかったとすれば幹部の責任であり、今までのやり方にこだわりやすいのもこの経営幹部だからだ。

 そして、会社経営者の、「うちはいい人材がいない…」という嘆きを否定する。自分が再建した会社は、売上3倍にしたが、社員はほぼ変わっていない。それは問題点を露わにして経営戦略を変更したからだ、という。そして再建途上で経営幹部の馘を斬った後は、残った社員の給与を上げてモチベーションを高めたエピソードを披歴する。

 タイトルは経営者が部長(および管理職)をどう処遇するかについて書いてあるようにみえるが、実は組織運営論であり、管理職を目指す一般社員にも役立つ。ただ、著者は外資系企業の経験が多く、大胆なリストラも可能だったと思うが、組合のあるような会社で同じ事は難しいかもしれない。

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