2015年2月20日金曜日

大塚家具、父娘げんかの原因は「2人とも経営が駄目だから」?娘社長のブレる経営迷走(2)

勝久氏が社長時代、大塚家具に買い物に行くと入り口受付で個人情報登録(入会申し込み)をさせられ、案内に付く店員が必ず割り当てられた。例えば「ベッドを買いたい」ということなら、大型店舗内のあちこちに置かれたベッドをくまなくかつ詳細に説明され、「これだけの選択肢があるならこれでいいか」などと、どれかは買ってしまうことになる仕組みだった。そして、それらのどれも実は安くはない値付けだったのを覚えている。

 久美子氏はこの方策を変え、オープンな入場方法に切り替え、来客トラフィックを増やそうとした。ところが、それによっても同社の年商は550億円ほどに減少し、低位安定的に推移してきた。14年に至りしびれを切らした勝久会長が、社長に兼任復帰したわけだ。
 勝久氏は直ちに以前の販売方法に舵を切り直した。結果は、財務的には悲惨なものだった。年商は前年比微減の550億円強だったが、営業損益は4年ぶりの赤字で、その額は4億円以上に上った。この結果を受けて、久美子氏が昨年末に社長再登板となったわけだ。

●駄目だから、喧嘩してしまった


 経緯を一見すると、久美子氏に軍配が上がったように見えるが、どうか。久美子社長は勝久氏の経営について次のように批判する。
「2014年10月に従来型店舗に変えた新宿ショールームでは、11月にサーモセンサーで人数カウントした結果、2013年に月間3万8000人だった来店客数が、14年には3万人へと2割以上も減った」(2月12日付東洋経済オンライン記事『速報!大塚家具、父・勝久会長が「退任」へ』より)

(この項 続く)

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