豊崎氏のスシローでの経営実績は誇れるものだ。高卒で辻調理師専門学校へ入り、すし職人としてスシローの前身「鯛すし」へ就職して以来同社一筋、職人として頭角を現し、取締役営業部長を経て2009年6月に社長へ就任した。
スシローは03年に東証二部に上場していたが、投資ファンドのユニゾンが08年にTOB(株式公開買い付け)により最大株主となり、09年4月に上場廃止した。新オーナーとなったユニゾンは、豊崎氏の職人技能とすしビジネスへの造詣を評価して社長に抜擢した。
しかし、投資ファンドとしてリスクマネーを投下したユニゾンは、スシローの経営に保険をかけた。それが、豊崎氏を補佐する経営人材、加藤智治氏の専務起用だった。大手経営コンサルティング会社マッキンゼー出身の加藤氏は理路整然と経営戦略を練り、現場上がりの豊崎氏はメニューや仕入れに目を光らせ「うまいすしを腹いっぱい」という職人魂を追求。2人のツートップはバランスの良い補完関係を築き、11年9月期には1店当たりの年間売り上げが3億円を超え、「かっぱ寿司」を展開するカッパ・クリエイトホールディングスを抜いて回転寿司業界の首位となったのである。
(この項 続く)
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