2019年11月22日金曜日

ジャニーズ事務所、報じられない「特殊な経営モデル」と「巨額の利益創出装置」(6)

飯島三智氏の後継者は育つか



経営や経営管理は、もちろん創業一族であるジュリー社長(53歳)が取り仕切る。実母のメリー会長は92歳という高齢もあり、ジュリー氏に経営のすべてを任せてしまってよいのではないか。ジャニー氏の逝去をタイミングとして、外から経営を監視することができる。セブン&アイ・グループにおける伊藤雅俊オーナーのような立場に立つことを勧める。

 ジャニーズの経営でほかに重要な機能は、営業である。この部分で辣腕を振るっていたのが、SMAPを世に出した飯島三智氏(61歳、現在はCULEN社取締役)だった。16年1月にジャニーズを退社して、それがSMAP解散のきっかけになったといわれている。内部のマネージメントの実状について詳細はわからないが、ジャニー氏が逝去した後にメリー氏がジュリー氏に道を譲り、そのジュリー氏を滝沢氏と飯島氏が左右で支えるという体制を取っていれば、同社はいっそうの安定感を得られたのではないか。

 それは「ないものねだり」だが、現在の経営体制を俯瞰すると、飯島氏の不在を補完する、あるいは超えるような営業畑の経営幹部の活躍が、ジャニーズの発展を支えると私は思う。チーム経営により、ジャニーズには巨大な「家族経営」から脱皮できる契機が来ている。

(この項 終わり)

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