2010年4月25日日曜日
「続・パワー スキーイング」フランツ・ラウター 書評(19)
副題が「F・ラウターの華麗なターンの世界」。フランツ・ラウターのスキー技術解説書。私は彼の写真集としてみている。スキージャーナル社発刊のこの本の奥付けには昭和53年発行とある。私がデモンストレーターを目指して基礎スキーで頑張っていたころだ。
とある経営学の本を書棚で探していたら、この本が転がり出てきた。
フランツ・ラウターは私のヒーローだった。彼の実際の滑りを見たくて、20代後半雫石での彼のスキーキャンプに2回通った。もう全盛期は過ぎていたが、間違いなく私がリアルにみた数多いトップスキーヤーの中で一番格好の良いひとだった。当時のスキー・ファッションリーダーにもなっていた。
3シーズン目に行ったら、ラウターの来日がキャンセルになっていて、日本で全く無名のベルント・グレーバー(若干20歳)が代打ちでと聞かされて、がっかりした。ところがところが、ベルントは私がリアルで見たスキーヤーの中で最高の滑り手だった。この業界でその後知らぬ人はないようになる。
私は今度はベルントを追いかけ、3シーズン彼のキャンプに参加した。何と2回目からは雪の上での彼の通訳をやらされるようになる。普通の通訳(といっても指導員クラス)が、ベルントが滑り下でクラスを見上げるそのタイミングで滑り降りていけないのだ。
全日本デモンストレーター選考会などをその後総なめにしたベルントは、まだ26歳の若さで母国オーストリアで滑走中雪崩で死亡。
「山田さん、スキーをあきらめるな」と最後のキャンプで言ってもらった私の方が雪の上に残されている。
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