2010年4月12日月曜日

「祝宴」ディック・フランシス?書評(13)


今回はビジネスとは関係ない。

私はディック・フランシスのファンである。イギリスの障害場馬術のチャンピオン(リーディング・ジョッキー)だった人物が、推理作家としてこのような才能を発揮できるものかと、驚くばかりだ。

今年の2月に88歳での訃報が伝えられ、もう彼の新しい作品は2度と読めないとがっかりしたものだ。少なくとも後期の作品には、夫人であるメアリの関与が言われている。その役割は小にしてリサーチャー、大なる場合は夫人の代作だったと言われているそうだ。

今日ブログで取り上げたのは、ハヤカワ・ミステリ文庫に今月「祝宴」がラインアップされ、それを読んだからだ。日本で翻訳出版された彼の著作は全て読んでいたつもりだった。ディックフランシスが80代に入り「再起」という作品以降は、二男のフェリックスとの共作という表示がなされている。「祝宴」もそうだ。

ファンサイトでは、
「小説創作の親子承継なんてありなのか」とか、
「日本画では狩野派など、家業だろう」とか
「フェリックス作の祝宴は出来がいいから、それでよい」
などと書き込まれている。

30冊以上のディック著作を読んできた私としては、
「やはりフレーバーが違うだろう」
と思ってしまう。

偉大なる父親が逝去して、これ以降に発表される作品にはフェリックス単独の作家名が冠されることになる。
我々は本当に「Dick Francis Jr.」を読めることになるのだろうか。楽しみでもある。

0 件のコメント:

コメントを投稿