2019年5月20日月曜日

ライザップ、営業赤字94億円…大物経営者招聘の裏に、瀬戸社長の“経営家庭教師”の存在(5)

さて、新氏は03年から11年まで、住友商事でアドバイザリーボードメンバーとして経営幹部の指導の任に当たっていた。この期間、住友商事で要職にあった中井戸氏の知遇を受け、両氏は肝胆相照らす信頼関係を構築し、中井戸氏がSCSKに転出した後もその関係は続いていた。

 松本氏がCOOの退任を発表したのが昨年の10月だった。瀬戸社長としては、松本氏を失った後に残るRIZAPの惨状をどう舵取りしていくか、自分だけでやっていくことに自信が持てなかったに違いない。経営家庭教師である新顧問に相談したところ、新氏自身は高齢なこともあり現場復帰に興味がないこともあり、知友の中井戸氏を推挙した、といういきさつである。

 中井戸氏は16年にSCSKでは相談役に退いていたところでもあり、要請に応じられる状況だった。同氏は今年72歳で、経営者として現場復帰にまったく問題がない年齢であり、経営意欲も十分なことだったろう。

 私のこの推定についてRIZAPの広報に確認したところ、「瀬戸社長が10年来師事を仰いできた方が、20年来のお知り合いというかたちで中井戸氏を推挙された」と、実質的に肯定された。

大会社の経営者がRIZAPで直面するチャレンジとは


(この項 続く)

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