2019年5月28日火曜日

ライザップ、松本晃氏が半年で敵前逃亡した“蟻地獄”…数十社の不振子会社群に慄然(6)

数十社の赤字が集積するという悪夢


 4月に入りRIZAPはグループ企業の再編を発表している。そこに添付された「RIZAPグループ体制図」によると、子会社群は10の中核企業群に集約されたかのように見える。しかし、内部を精査して見ると、たとえば中核会社の一つとされたRIZAP株式会社の下には10社以上の子会社を収載したりして、トータルすると、いまだに子会社の数が数十社という規模感のままである。18年9月現在では85社あると発表されていた。

 RIZAPがこれらの数十に上る多くが不調な子会社を保持していけば、毎年莫大な赤字が発生する。18年11月の発表では「1年以内にグループ入りした企業の赤字合計額が増加している」とされた。RIZAPは買収した会社の建て直しが得意な会社ではないのだ。売却できたとしても足元を見られ、多額の売却損を覚悟しなければならない。

 私にも観察できるこんな悪夢を、松本氏のような「プロ経営者」が短期に見抜けないわけはない。招聘されたところが実は“蟻地獄”だったことに、松本氏は現場を回ってすぐ気がついたのだ。

社内の抵抗と反発


(この項 続く)

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