2014年3月3日月曜日

本を書く (12) 丸谷才一、大野晋、谷崎潤一郎

よい文章を書くにはどうしたらいいか。

まず小説家として私が感心して初めに指を折るのが、丸谷才一だ。丸谷は寡作な小説家で、忘れた頃、何年かに一度長編小説を発表する。

『たった一人の反乱』 、『女ざかり』、輝く日の宮』 などを初めて開いたとき、その都度思い知ったことは、
「これはとても叶わない、マネすることも出来ない」
ということだった。プロならでの至芸に舌を巻く。

私は国文科出で、学生時代に私の周りには小説家志望のモノが居ないことはなかった。私自身、著書の中で1冊は小説(但しビジネスもの)がある。文章について一家言を持っているつもりでもいる。しかし、丸谷の新しい小説を読むたびに打ちのめされた。
「この小説家は明らかに特殊な才能を持っている」
と、いつも、何回も思い知らされた。

そんな丸谷才一が『文章読本』(中公文庫)をものしている。文章に気を配りたいヒトなら、誰でも手にとって味読参照すべき一書と言える。その丸谷『文章読本』には、、、

(この項 続く、しかし飛び飛び)