2016年6月2日木曜日

セブン&アイ鈴木前会長を放逐した伊藤邦雄とは何者?社外取締役が大企業に激震呼ぶ時代に(1)

セブン&アイ・ホールディングス(HD)の株主総会が5月26日に開かれ、鈴木敏文会長兼最高経営責任者(CEO)が取締役を退任し、名誉顧問となった。24年ぶりのトップ交代となった引き金は、新たに社長に就任した井阪隆一氏の処遇をめぐっての年初来の出来事だったのは周知のとおりである(本連載『老害化した天才経営者・鈴木セブン&アイ会長、なぜ退任に?一介の雇われ経営者の末路』)。
鈴木敏文会長(ロイター/アフロ)

 鈴木氏が策動した井阪氏更迭の動きに対して、イトーヨーカドー創業家の伊藤家やアクティビスト・ファンド(物言う投資家)である米サード・ポイントが批判的となった。

しかし、セブン&アイHDの内部で正式なガバナンスとして機能したのは、2人の社外取締役がいる指名・報酬委員会であった。同委員会で否決された案件を、鈴木氏はあえて4月の取締役会に諮ったのだが、ここでも社外取締役の伊藤邦雄氏(一橋大学特任教授)の「無記名投票にゆだねよう」という動議の結果、否決されたことからて鈴木氏の急転直下の辞任会見へと展開した。

企業ガバナンスの本家としての矜持


(この項 つづく)


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