2016年6月30日木曜日

カリスマ・孫正義と柳井正は、後継者を育てることなど不可能である…鈴木敏文の失敗(2)

総会前日の発表は問題ない


アローラ氏が退任するという発表が株主総会前日だったことを問題視する論調がある。つまり、総会での提案議題としては同氏の再任が盛り込まれており、総会本番でそれが覆されたので、事前に株主投票や委任状を提出していた株主は意思表示をする機会が奪われた、というのだ。

 しかし、アローラ氏の退任が6月になり急遽決定されたということなので、上場企業としての適宜開示の原則のほうが優先されるべきだろう。そして何より、孫氏の社長続投という意思決定によるものなので、それが企業価値の増大に益するものかどうかという可能性によって評価されるべきだ。

 58歳になる孫氏は、「(来年8月11日に迎える還暦の誕生日に)古くからの友人やソフトバンクの幹部を集めて僕の誕生日パーティーを開いて、そこでみんなを驚かせようと思っていた。『実は明日からニケシュが社長になります』とね」と株主総会で吐露した。しかし、人工知能AI)が人類の知能の総和を超える「シンギュラリティ」の到来を前に「(経営への)妙な欲が出てきた」として、「情報革命」のチャンスが広がったことが引退撤回の真相だとしている。

(この項 続く)

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