2011年6月21日火曜日

「戦略サファリ」ヘンリー・ミンツバーグ(4)

「直観力」、だよね。

「戦略サファリ」は大著で、かつ突っ込みどころの多い文献なので、まだ取り上げている。本日は、第6章「コグニティブ・スクール」から。

サイモンの指摘、「直観と判断、少なくとも良い判断は、単に分析が固まって習慣になったもので、認知を通じて早い反応が出来るようになったものである」を引用した上で、「しかし、この見解には疑問の余地がある」とミンツバーグは批判している。

ミンツバーグに同感である。大体、サイモンの「経営行動」はおよそ分かりにくい書物で、私は分かりにくい書物というのは論理立てに欠陥がある、少なくとも素直な流れでないから分かりにくいと思っている。一方、分かりにくい学説を立てる学者を珍重する向きはずいぶんあり、サイモンがノーベル賞を受賞したことと矛盾しない。

ミンツバーグは、サイモンのコメントを紹介した後に対照的な、エドウィン・ランドがポラロイド・カメラのアイデアを自分の中で収斂させた状況のことを紹介している。それは、3才になる娘が、「写した写真をなぜすぐ見れないのか」という疑問を提出したことから、一気に収斂したという。

偉大なアイデアは-それにはとても有効でしかし突飛に思われる経営戦略も含まれる-が創出される契機にはそのようなものが多い。私の場合で言えば、ぼけーっとして、あーでもない、こーでもない、としているときに「あー、これだ」と思いついたことがある。どうもサイモンの方のアプローチではないような。

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