2015年8月4日火曜日

スタバ、味の目隠し調査で最下位…最大の敵はコメダ、米国本社の管理強まる?(4)

関根氏は岩田氏の後任で、伊勢丹(現三越伊勢丹)執行役員や丸井今井(現札幌丸井三越)社長を経てスタバ社長に就任したが、失礼ながら外資の世界をわかっていないのではないか。関根氏は、ジョン・カルバー氏と異なる見解を述べてしまった。

 米国本社が日本法人を完全子会社化した理由は、完全に自分たちが思うように経営したいからだ。関根氏はサザビーの森正督社長からスカウトされたのだが、米国本社としては株式公開買い付けまでして、大株主だったサザビーの影響力を排除しようとしたのだ。

最大のライバルは?


 スタバのコンセプトである「サード・プレイス」とは、家、職場、あるいは学校以外の「第3の場所」、客に居心地のいい場所を提供しようという意味だ。客のほうでも、それを期待している。

 では、コーヒーの味への評価はどうなのだろうか。インターネットマガジン「The Bold Italic」が13年6月に米サンフランシスコで目隠し調査を行ったところ、6種類のコーヒーのうちスタバが最下位だった。もちろん、これは直ちに「スタバのコーヒーがまずい」ということを意味するものではない。単に「6つの中で評価が最下位だった」ということだ。

 では、コーヒー店としてのスタバの競合はどこか。もちろんタリーズコーヒーなどの、スタバより低単価のコーヒー・チェーンではないだろう。「目指しているところが違う」と岩田氏なら言うだろう。今年2月に1号店をオープンさせた「サードウェーブ」と呼ばれるブルーボトルコーヒーのような、高級コーヒー店だろうか。スタバは、味では競合できないだろう。もしくは、旧来型の喫茶店だろうか。居心地のいい空間という点では勝るかもしれないが、いずれも零細で、企業規模としてスタバのようなチェーン店に対抗すべくもなく、その数を減らしている。

 私は、スタバの競合として立ち上がってくる可能性があるのは、コメダ珈琲店ではないかと見ている。コメダも「居心地のいい空間」というコンセプトの別体現ではないか。店舗数も632店(7月19日現在)とスタバを急追している。地域的に、まだ進出空白地がある。スタバのおしゃれな雰囲気もいいが、コメダ珈琲店のまったりした空間もくつろげる。「くつろぎカフェ戦争」が始まることに期待したい。

(この項 終わり)

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