2010年11月21日日曜日

「八甲田山死の咆哮」新田次郎 書評(55)



新潮文庫。ご存知、山岳遭難小説の傑作。「巻擱く能わず」という言葉があるが、第2章「咆哮」の描写の迫真と恐ろしさは、何度か本を閉じて、心を落ち着かせてから覚悟を決めてまた取りかかる、といった程である。

下士官の進言による死地への行進の選択のことを、「次代幹部候補の選抜」にからめて何度もセミナーで取り上げてきた。改めて読み返して、「リーダーシップ」の活きたケースだと思った。シャクルトン船長のエンデバー号南極遭難の書と併せて、第3期の経営者ブートキャンプの課題図書として読んでもらおうと思った。

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