2020年1月8日水曜日

誰も知らない「コニカミノルタの奇跡」…企業消滅の危機乗り越え、超グローバル企業に変身(6)

講演で松崎氏は「業界外の技術進歩により当社のビジネス構造が変革された」と述べたが、それに対する大きな対処は、実は松崎氏以前に始まっていたようだ。

「当社は、ポスト銀塩フィルム、ポスト・カメラ時代の施策として独自路線、すなわち『ジャンルトップ戦略』を採用している」(松崎氏)

 同社の歴史を紐解くと、同社のサバイバルを担保した「ジャンルトップ戦略」は松崎氏の前任CEOだった太田義勝氏のリーダーシップによるものらしい。ちなみに、「ジャンルトップ戦略」とは、松崎氏の話を聞いた限りではランチェスター戦略の援用と私には思えた。つまり正しい戦略を選択したな、と思ったわけである。

 変革期に底に沈むようなことなく「停滞期」を乗り越えると、13年からの「躍進期」を松崎CEOが主導したようだ。

整理する理系経営者



 松崎氏は、「09年のCEO着任の前、08年にリーマンショックがあった。あの状況下で、当社が持続的に成長するためには何を優先するか」を考え抜いたという。そしてたどり着いた3つの結論があったという。

「継続的なイノベーション、社会の発展に寄与する、そして企業価値を増進する」というものである。前述の「ジャンルトップ戦略」と合わせて、これらの原則によって同社は「事業の立ち位置」を変えて現在前に進んでいるそうだ。

 松崎氏の説明によれば、同社の主要成長事業である光学事業とヘルスケア事業でも、そのビジネス内容での変革を主導しているとのこと、すなわち「立ち位置を変えている」とのことだった。

「立ち位置を変える」というのは

(この項 続く)

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