2018年9月8日土曜日

【宮川紗江パワハラ告発】五輪出場選手を協会が「密室」で選ぶ方法は廃止すべきだ(7)

アスリート・ファーストの流れは止められない


 これからの時代、各競技団体の責任者は所属アスリートの扱いにこれまでにない注意が必要となる。声を上げ始めたスポーツ選手は、これからは問題があると認識したら告発するようなことをあまり厭わなくなるからだ。

 私がすぐに想像できるのが、世界大会や五輪への派遣選手の選考過程である。討議・協議方式の選考は忌避されていくだろう。それは、いくら「過去の実績」、あるいは「国際大会での実績」などを考慮したとしても、結局は「主観の問題だ」という余地が残るからだ。選に漏れた選手がスポーツ仲裁裁判所に提訴したり、その延長線上として民事の損害賠償や名誉毀損を提訴することが予想される。

 そんな時代になると、国際大会の派遣選手を決めるには、アメリカの多くの競技が実施しているように、特定の選考大会を決めて、泣いても笑っても一発勝負ということになっていく。私はそれが悪いことだとは思わない。アスリートに最善の練習機会(指導者の選択も含む)を与えた上で透明性を確保した競技こそが、スポーツの本来の姿であり、スポーツの偉大さを高めていく。時代は今年動き始めた。

(この項 終わり)

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